金正恩氏と娘のジュエ氏(朝鮮中央テレビより)

写真拡大

北朝鮮の金正恩総書記の娘ジュエ氏が、いっそう成長した姿で、またも国家行事で存在感を見せつけた。8月14日の戦没者追悼では、鮮やかなピンク系のスーツで両親の「センター」に立ったジュエ氏。16日、「祖国解放」81周年を記念する水泳・飛び込み競技の観戦や国立サーカス団の公演鑑賞では一転、ややシックな装いで登場した。母・李雪主氏も、白黒を基調に花柄をあしらった落ち着いた服装。

祝賀、追悼、記念――行事のたびに装いを変える姿は、国家イベントを「ファッションショー」のように楽しんでいるようにも見える。

もちろん、服装だけから本人の「気分」を断定することはできない。それでも、軍事パレードや兵器関連行事、追悼式典などに次々と登場し、そのたびに衣装と立ち位置が注目されるジュエ氏。いまや「最高指導者の娘」というより、北朝鮮が演出する一種の「セレブ」のような存在になりつつある。

(参考記事:【写真】金正恩父娘“恋人のような密着シーン”に北朝鮮内部から「おぞましい」との違和感も

しかし、その華やかな「4代目後継ショー」の舞台裏にあるのは、まったく別の北朝鮮だ。食料不足に苦しみ、猛暑のなかでも働かされ、十分な医療を受けられない人々がいる。庶民にとって衣服は、自分を華やかに「演出」するための道具どころか、日々を生き抜くための生活必需品だ。

父と母のセンターで衣装を変えながらスポットライトを浴びる娘。その映像を国営メディアが繰り返し国民に見せる。金正恩氏が描く「次の時代」は、あまりにも華やかだ。しかし、そのスポットライトの外側には、貧困にあえぐ人民の残酷な現実が広がっている。