「警視庁遺失物センター」に保管されている傘。梅雨から夏にかけて大量に届く

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 約1400万人の都民や通勤客に加え、旅行客や訪日外国人……。

 にぎわう東京の景色の裏で、「落とし物」も増えている。都内で昨年1年間に警察に届けられた拾得物は、過去最多の約454万件に上る。落とし物はどこへ――?

 飯田橋駅近くの「警視庁遺失物センター」(文京区)を訪ねると、地下空間に無数の傘が所狭しと並んでいた。警察署や鉄道会社で一時的に保管されていた様々な落とし物が届き、免許証や財布、スマートフォンなど平均すると1日に1万5000件ほどを受け入れる。

 警視庁は昨年、傘だけで約27万5000本を取り扱ったが、返還率はわずか1・7%。センターに届いた拾得物は1点ずつ形や色、特徴などの情報を細かく記録しており、池田誠センター所長(57)は「市民の大切な財産を一つでも多く、早く返せるように職員一同頑張っている」と力を込める。

 保管期限の3か月以内に引き取り手が見つからない場合、落とし物は原則廃棄されるが、再利用する取り組みも行われている。鉄道会社などは自社での保管・処分が認められており、リサイクル品販売会社「ラ・ボーテ」(神奈川県)は、期限が過ぎた落とし物を鉄道会社から買い取り、きれいにして格安で販売する「鉄道忘れ物 掘り出し市」を各地で開催している。

 上田哲也社長(63)は「落とし物がそのまま捨てられるのはもったいない。宝探しのように楽しみながら買い物をしてもらえれば」と話している。(写真と文 永井秀典)