真っ昼間の浅草に六代目山口組ナンバー2が登場…稲川会最高幹部らと「関東の老舗ヤクザ」を訪問のワケ

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全国から捜査員が駆けつけた

梅雨入りを前に、真夏を思わせる晴天に恵まれた6月中旬の東京都。立っているだけで汗が服にまとわりつくような陽気の中、台東区浅草の住宅街に本部を構える暴力団・五代目國粹会事務所会館前には、ネクタイにスーツ姿の屈強な男たちが直立不動で整列していた。その周囲には、地元浅草署や警視庁、神奈川県警や兵庫県警など20人を超える捜査員が警戒に立ち、会館の出入りに鋭い視線を投げかけている。早朝から、緊張した異様な空気が張り詰めていた。

「お見えになりましたーー!」

午前11時過ぎ、緊張した空気を破るようにひときわ高い声が響き渡る。高級車3台の車列の先頭車から降り立ったのは、日本最大の暴力団・六代目山口組のナンバー2・竹内照明若頭(66)だ。整列した組員から、「ご苦労様です!」の出迎えの声が一斉に飛ぶ。竹内若頭は厳しい表情のまま会館へと入っていった。

「六代目山口組は、関東の友好団体の稲川会、松葉会と年に3回、持ち回りで『三社親睦会』を行っており、この日は六代目山口組がホスト役の回でした。五代目國粹会は六代目山口組の直系組織ですから、親睦会のために会場を提供したというわけです。

この会合は、その名の通り各団体の最高幹部数人が昼食を取りながら親睦を深める会合。トップは出席しません。六代目山口組からは、従来は若頭が出席することは稀だったのですが、竹内若頭は昨年4月に就任して以降、毎回出席しています。三社親睦会だけでなく関東や福岡県の親戚・友好団体の代目継承儀式で跡見人(あとみにん)を務めるなど、他団体との外交を精力的に行っています」(山口組に精通しているジャーナリスト)

その約20分後に稲川会の車列、松葉会の車列が相次いで到着。稲川会からは最高幹部が4人、松葉会からも最高幹部が4人出席した。三社親睦会は午前11時半過ぎから約30分にわたって行われた。

12時15分過ぎ、最初に稲川会幹部が、続いて松葉会の幹部が会館を後にし、竹内若頭は最後に姿を現した。ゆっくりとした足取りで車に乗り、会館を後にした竹内若頭。親睦会は滞りなく終了したようだ。

「総裁制」を取り入れる団体が増加

竹内若頭の動きを前出のジャーナリストが解説する。

「竹内若頭就任から1年あまりが経ちました。他団体との積極外交にとどまらず、竹内若頭は『内』にも働きかけています。執行部の若返り人事を断行し、執行部会の開催も週1回ペースに増やしたそうです。組織の改革を急速に進めているのです」

「内外」における積極的な活動のウラに何があるのか。

「六代目山口組・司忍組長(84)が掲げる『ヤクザ社会の平和共存』の実現を目指しているのです。竹内若頭は昨年9月、弘道会会長の座を野内正博現会長に譲り、六代目山口組の指揮に専念する体制を整えた。以降、六代目山口組の傘下組織で増えているのが『総裁制』の導入です。先代組長が総裁として組織に残り、後進とともに運営していくことで、スムーズな代替わりを実現することを目的とする制度です。

もともとは郄山清司相談役(78)が六代目山口組の若頭時代に導入したもの。それを間近で見てきたのが当時から側近だった竹内若頭でした。自らの若頭体制下では、5団体で総裁制が導入されています」(同前)

一方で警察当局は、昨年4月に六代目山口組が一方的に「抗争終結宣言」の誓約書を提出した後も、抗争相手の神戸山口組・池田組・絆會とのトリプル特定抗争指定暴力団の指定を解除していない。竹内若頭の行く先々にはこれまで以上と思われる警戒態勢が敷かれている。

7月には、六代目山口組の全国の親戚・友好団体が、時候の挨拶のために六代目山口組を訪れる恒例行事が控えている。「抗争の火種」が依然としてくすぶり続ける中、六代目山口組の組織改革は続いているのである。