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大分県豊後高田市や中津市では今年度、中学生などを対象に無料の英語講座がスタートしました。各地で開設が進む背景や英語教育の課題を取材しました。

【写真を見る】小中学生対象の「公営英語講座」続々開講 広がる格差…自治体が英会話の場を提供、実践で学習意欲向上へ

5教科から「英語特化」へ

豊後高田市教委が今年度スタートした「中学生英語講座」。毎月第1・第3土曜日の午前中、希望する中学生が習熟度に応じて3つのコースに分かれ、それぞれ英検3級から5級の合格を目指します。

講座では「コミュニケーション」「テキスト学習「タブレット学習」を45分ずつ3コマ実施。現役教諭やOBのほか、市内の塾講師がレベルに応じた指導にあたります。

2002年にスタートした豊後高田市の土曜日講座は長年、国語や数学など5教科に幅広く対応。学力テストでも毎回上位に名を連ねる成果を残してきました。

しかし、今年度からは英語に特化という形にしました。

学校教育課 板井純子課長:
「豊後高田市の課題というのが、各種の学力調査から明らかになりました。英会話塾が少なく、そういった面から英語の力が他の地域より低くなっていると思っています」

去年の学力調査の偏差値をみると、豊後高田市はすべての教科で市町村平均を上回っているとはいえ、「英語の活用」は偏差値50に達していません。

英語講座は、英会話教室が少ないことなどから、地域の特性を踏まえて開設。60人の募集に対して97人が希望し、全員を受け入れてスタートしました。

(受講した中学生)「英語の基礎力を高めたいから入りました」「受験に向けて基礎を学ぼうと思って入りました」「学校の授業では習えないようなコミュニケーションに特化したものを受けたくて」「4級まで合格しているので、せっかくなら3級目指して受けていこうかなと」

ALTと話せる「英語クラブ」想定以上の応募

一方、中津市教委も今年度、小学校高学年と中学生を対象に英語クラブを開講しました。月に1回程度、ALT=外国語指導助手4~5人を招き、継続的に英語に親しむ機会を提供します。40人の募集に対し100人以上の応募があり、抽選で参加者を決定しました。

学校教育課 田代和馬さん:
「30人学級の場合、ALTの先生と話す時間が少なくなってしまいます。学校とは別に、たくさん話す機会をつくることで、『自分で勉強したことを実際に使えた』という経験を得られ、学習意欲の向上につながっていくと思っています」

各自治体が英語教育に力を入れる背景には、学力格差という問題もあります。特に小学校での英語の教科化により、格差が広がる傾向が懸念されていると専門家は指摘します。

大分大学教育学部英語教育講座 麻生雄治教授:
「昔は中学1年で『よーいドン』で英語の勉強が始まりましたが、今は小学校で始まり、中学校に入るため、その段階でちょっと差がついています。例えば小さいころから塾に通っているなど、できる人とできない人が分かれやすくなっていると考えられます」

県立高校の入試結果を見ても、国・数・理・社の得点分布は、きれいな三角形となっているのに対し、英語は低学力層と高学力層に分かれる傾向が見られます。

大分大学教育学部英語教育講座 麻生雄治教授:
「英語が好きな人の方が成績が高くて、嫌いな人は成績が下位という調査もあります。『英語好き』を増やすということも課題だと思います」

各地で開講が進む公営の英語講座。教育環境や学力の格差を減らし、やる気を引き出す効果が期待されます。