ライブドア(LD)グループをめぐる証券取引法違反事件で、同法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われた法人としてのライブドアなど2社に対する判決公判が23日午後、東京地裁であった。小坂敏幸裁判長はライブドアに罰金2億8000万円(求刑・罰金3億円)、関連会社ライブドアマーケティング(現メディアイノベーション)には罰金4000万円(求刑・罰金5000万円)の判決を言い渡した。

 同法違反での法人の罰金額としては、2005年の西武鉄道株事件で同社に言い渡された2億円を超えて過去最高となった。

 LDの平松庚三社長は判決を前に、傍聴席で他の取締役や幹部社員が見守る中、「どのような判決をいただいても、これを受け入れる。今後、会社一丸となってコンプライアンス体制を整え、二度と同じ過ちを犯さないような体制を作る」と誓いの言葉を述べた。

 小坂裁判長は判決の中で、「堀江元社長ら旧経営陣が、見せかけの成長にこだわり、直接主導して組織的に行われたもので、証券市場の公正性を害するきわめて悪質な犯行」と指摘。有望な企業の姿を装い、企業利益のみを追求して、多数の投資家に損害を与えるなど犯行の結果は大きいと断罪した。

 ◇ ◇ ◇

 小坂裁判長は同日午前、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪に問われ、ともに無罪を訴えていた公認会計士久野太辰、小林元の両被告の判決公判で、久野被告に懲役10月(求刑・懲役1年6月)、小林被告に懲役1年、執行猶予4年(同)を言い渡した。

 小坂裁判長は、久野被告について「監査報告書に署名しており、責任ある立場で重要な役割を果たした。結果の重大さなどから実刑はやむを得ない」と指摘。また、小林被告については「粉飾の事実を隠蔽(いんぺい)するため、売り上げに見合う虚偽の書類を作らせた」と認定した。弁護側が示した「自社株売却益の売り上げ計上は認められる」とする学説については、「アメリカの事例をひいて論じたもので、仮説に過ぎない」と退けた。

 一連の事件で、実刑はLD元社長堀江貴文被告、元取締役宮内亮治被告に続き3人目。久野被告は即日控訴した。これまでに、堀江、宮内両被告と元代表取締役、熊谷史人被告が控訴している。【了】

■関連記事
宮内被告、懲役1年8月の実刑
堀江被告 懲役2年6月の実刑
LDの会計士、3月23日に判決
LDの会計士 懲役1年6月求刑