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実質的にモデルチェンジ級の改良

BYDが、アット3で英国や日本へ進出してから数年が立つ。その間に、バッテリーEV市場は大きく変化した。お手頃な価格で充分な距離を走れるモデルは、確実に選択肢が増えている。勢力図が3年前と変わったとしても、不思議ではない。

【画像】モデルチェンジ級の大改良 アット3「エボ」 サイズの近いクロスオーバーと写真で比較 全158枚

シェア拡大を目指すBYDも、黙ってはいない。2026年仕様として、アット3には大幅な改良が施された。見た目は僅かにシャープさを増し、前輪駆動から後輪駆動へ見直され、実用性も高められている。実質的に、モデルチェンジと表現しても過言ではない。


BYD アット3 エボ・デザイン(欧州仕様)

英国へ導入されるアット3は、2種類ある。デザイン・グレードには312psの駆動用モーターがリアに載り、航続距離は508km。エクセレンス・グレードはツインモーターの四輪駆動で、航続距離は469kmへ短くなるが、総合で449psへ上昇する。

駆動用バッテリーは、74.8kWhのリン酸鉄リチウム(LFP)で、制御電圧は400Vから800Vへ倍増。急速充電は最大220kWで、10%から80%へ最短25分で回復できる。

スタイリングの変化は小さめ 装備は充実

スタイリングは、フェイスリフト前と大きくは違わない。リアまわりは従来より上品になったように見え、眉毛のようなデイライトは、少し前の小さなメルセデス・ベンツにも似ている。お手頃な電動SUVとして、悪くない雰囲気といえる。

他方、モデルを定義付けるような特徴があるわけでもないだろう。100mほど離れたら、アット3なのかどうか、見分けることは難しいように思う。


BYD アット3 エボ・デザイン(欧州仕様)

基礎骨格はe-プラットフォーム3.0で、サスペンションは後ろが4リンクから5リンクへ更新。乗り心地と操縦性を高めたと、BYDは主張する。

基本装備はかなり充実し、廉価なデザインでも360度カメラにヒートポンプ式エアコン、パワーシートなどが備わる。上級グレードなら、パノラミック・サンルーフにヘッドアップディスプレイ、リアのシートヒーターなどが追加される。

大部分がソフト加工された主張の強い内装

薄味のボディと異なり、インテリアの主張は強め。ドアハンドル部分は丸く出っ張り、エアコンの送風口はエッグスライサーのよう。足元のスピーカーは、メッシュ状のグリルではなく、数本の弦で接触から守られる。

ダッシュボード上には、横向きで固定された15.6インチのタッチモニターと、8.8インチのメーター用モニター。シフトセレクターは、ステアリングコラムから伸びる。


BYD アット3 エボ・デザイン(欧州仕様)

内装の素材は、ほぼ全面がソフトタッチ加工され、硬質なプラスティックは殆ど露出していない。シートは、このクラスとして座り心地は褒められるが、表面の素材は樹脂感が強め。電動で位置を調整できる、ランバーサポートがうれしい。

運転姿勢は、小柄な大人なら快適なはず。他方、シートやステアリングコラムの調整域が狭く、身長の高い人はしっくり来ないかも。見慣れたデザインへ改められたステアリングホイールだが、触感はもう少し改善できるだろう。

扱いやすいタッチモニター 広々な後席と荷室

最新版ソフトウエアが稼働するタッチモニターの表示は鮮明で、反応も素早い。スマホとの連携もスムーズだが、グーグル・マップなどのアプリが実装され、標準のシステムでも不満は感じにくく思えた。

エアコン用のメニューはモニターへ常時表示されるものの、操作しやすいわけではない。温度を変える度に、ドライバー監視機能が警告してくる。


BYD アット3 エボ・デザイン(欧州仕様)

ドライブモードと回生ブレーキの効きは、センターコンソール上のボタンで選択できるが、形状や肌触りが同じで、目視なしでは指を伸ばしにくい。スマホの無線充電パッドも、追加されている。摩擦が低く、走行中にスルスルと滑りがちだが。

後席側は、身長の高い大人でも快適に過ごせるはず。メインの駆動用モーターが後方へ移動したことで、フロントのボンネット下の収納は101Lへ拡大。それでいて、後方の荷室容量も広がり、490Lを得ている。

気になる走りの印象とスペックは、BYD アット3 エボ(2)にて。