デュッセルドルフ加入後すぐにレギュラーとなった田中。写真:picture alliance/アフロ

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 ここ数シーズン、ブンデスリーガ1部への昇格争いの常連だった2部のデュッセルドルフが、今季は一転して残留争いの渦中にいる。特に2023-24シーズンには2部3位でリーグを終え、1部16位だったボーフムとの昇降格プレーオフ第1戦を3−0で先勝。昇格は目前と思われたが、第2戦を0−3で落とし、最後はPK戦で涙をのんだ。

 昨季は6位でフィニッシュ。今季の目標も当然1部昇格だったが、序盤から勝ちきれない試合が続き、シーズン途中には監督交代に踏み切るなど大きな転換期を迎えている。22節終了時で12位。前期を終えた時点で16位だったことを考えると、多少は持ち直しているものの、現在16位のマグデブルクとは勝点2差、17位ドレスデンとは勝点4差と、安心できる位置にはいない。

 そんなチームで中盤に安定感と躍動感をもたらし、いわば救世主となっているのが、今冬にサンフッレチェ広島から加入したMFの田中聡だ。話を聞いたのは、1−1で終わった21節カールスルーエとのアウェー戦の後。23歳のボランチは引き分けという結果を冷静に受け止めつつ、「失点がセットプレーだったので、もったいなかった。勝たないといけないゲームだった」と、悔しさをにじませた。

「最近の中では一番チャンスは多かった」と振り返れたのは収穫だろう。ボール奪取が巧みで、展開力もある田中の加入により、間違いなくチームにリズムが生まれている。

「全体的に距離感が良くて、攻撃に厚みがあったと思います。そこでうまく抜け出してチャンスやシュートまでいけたので、その点は良かったと思います」
 
 デュッセルドルフ加入から約1か月。チームやリーグへの順応については「もう順応できていると思う」と語り、2部のレベル感も把握できてきたという。周囲からの評価も上々で、22節ミュンスター戦後にはファン投票のマン・オブ・ザ・マッチに選出されている。

 今後さらに高めたいポイントとして挙げたのは攻撃面だ。「守備ではやれている感覚がある。攻撃でどれだけ違いを作れるか、目に見える結果を出したい」と語り、「前にいい選手がいるので、もっと活かしてあげたい」と連係面の精度向上を課題に置いている。

 直近5試合で4失点と守備は安定しつつある。田中を中心とした攻撃面の改善が、2部残留へ向けた重要なカギとなる。

取材・文●中野吉之伴

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