JRT四国放送

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三好市池田町でこのほど、102年前に描かれたカラクリに用いられる「襖絵」が見つかりました。

その「襖絵」など、ふるさとの文化や歴史を後世に引き継ごうと活動する、地元の取り組みを取材しました。

■神社に2頭のトラ

力強く描かれたトラ。

漆川八幡神社で見つかった「襖絵」です。

三好市池田町漆川。

かつては、漆やたばこ、それに林業が盛んな土地でした。

県の天然記念物に指定されている黒沢湿原があり、夏にはサギソウが咲き誇ります。

■「ふるさと漆川を考える会」

漆川出身の、日浦弘美さんです。

香川県丸亀市に住み、週の半分を地元・漆川で過ごしています。

2年前に地元を盛り上げようと「ふるさと漆川を考える会」を立ち上げました。

■地域新聞「漆川通信」発行

(ふるさと漆川を考える会・日浦弘美さん)
「高齢化していったり、人口も少なくなる中で、地域が自分たちのふるさとが、非常にさみしくなっている」
「何かできないかなと、漆川通信という地域新聞を発行するようにしました」

ふるさと漆川を考える会の会員は、現在13人。

地元の人や、地元から離れた人に向けて三か月に一回、地域の情報を届ける漆川通信を発行しています。

そのほかにも、40年ぶりに地元のまつりを復活させたり、故郷の様子を撮影し映像作品を制作するなどして、地域を活気づけています。

■「襖絵」が見つかったきっかけ

漆川出身の、佐川伸一郎さんです。

2024年、日浦さんたち「考える会」に「過去に撮影した襖絵の映像をDVD化してほしい」と依頼、それがきっかけで今回「襖絵」が見つかりました。

映像は、2001年に三好郡郷土史研究会が、村に伝わる「襖絵」を調査していた時に撮影したものでした。

県内では阿波農村舞台と呼ばれる舞台が今も数多く残っており、その数は全国一を誇ります。

「襖絵」が漆川にも残されていると知った日浦さんたち。

「襖絵」の存在は高齢者や神社関係者しか知らず、忘れ去られていました。

■「恐る恐る箱を開けてみると」

(ふるさと漆川を考える会・日浦弘美さん)
「おそらく虫に食べられたりして、だいぶ痛みが激しくなるなということで」
「恐る恐る箱を開けたんですが、全部取り出してみると、非常に大きな破れもなくって」
「綺麗に保存されているんで、逆に驚きました」

■社務所から102年前の「襖絵」37枚

境内にある社務所。

ここで、102年前に描かれた「襖絵」37枚が見つかりました。

(ふるさと漆川を考える会・日浦弘美さん)
「これはトラです」
「これはたぶんね、2枚ずつ出しておきましょうか」

この日は状態を確認するために、箱の中から「襖絵」を取り出しました。

大きさは縦1メートル42センチ、横60センチ、厚さ2センチです。

襖からくり用の「襖絵」のため、両面に絵が描かれています。

「順番に入れてみて」

襖をつなげてみると…。


(ふるさと漆川を考える会・日浦弘美さん)
「はい、これで一つ完成」
「迫力ありますねえ、すごい」

9枚の襖を繋げると、ひとつの大きなトラの絵が完成しました。

この裏側には、牡丹や菊など四季折々の花が描かれていました。

こんな風に回転させると、桜の舞台に様変わりしました。

ほかにも真っ赤に燃える太陽が印象的な松の絵や、千畳敷の大広間の「襖絵」も見つかりました。

漆川がかつて含まれていた村の記録、三縄村史を見てみると、大正時代の中頃に京山劇団という劇団が、見事な舞台装置を披露していたとありました。

「襖絵」の存在を伝えた佐川さんは小学生の頃、「襖絵」の前で劇を見た記憶があると話します。

(漆川出身・佐川伸一郎さん)
「千畳敷って言うんかな、広い部屋が見えるような、ぼんぼりを横にたてて」
「その絵が出てきたときには、拍手をしたり、みなさんが喜んでいたというようなことがありましたね」

■ふるさとの文化を未来へ

(ふるさと漆川を考える会・日浦弘美さん)
「ふるさと漆川に昔から(襖絵という)素晴らしいものが残っていたということもですね」
「ぜひみなさんに知っていただきたいということで」
「自分たちの育ったふるさとをね、これからも大事にしていきたいなあ、というそんな思いでいます」

ふるさと漆川を考える会は、9月19日に三好市中央公民館で一般の方に向けた「襖絵」の展覧会を行う予定です。

生まれ育ったふるさとの文化を未来へとつなぐ取り組みは、これからも続きます。