『鬼滅の刃』我妻善逸は作中トップレベルの強さ? 「無限城編」で見せる“圧倒的”才能
※本稿は『鬼滅の刃』無限城編のネタバレを含みます。
公開4日間で500万人以上を動員するほどの大ヒットを記録している『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』。劇中には炭治郎や鬼殺隊の「柱」たちが登場し、華々しい活躍を繰り広げている。
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今回はそのなかから、我妻善逸に注目。ファンのあいだで「実は最強」とも囁かれる実力について、あらためて検討していきたい。
善逸は鬼殺隊の一員でありながら、極度の臆病者。鬼を前にしても震えてばかりいて、情けない言動を見せることも多い。しかし意識を失っている際の剣技は圧倒的で、とくにスピードにかけては作中でも随一と言えるレベルだ。
たとえば単行本4巻から6巻にかけて収録された「那田蜘蛛山」編では、下弦の伍・累の手下である蜘蛛の鬼(兄蜘蛛)と対峙。この鬼は毒を使って人間を蜘蛛に変えてしまう力をもった強敵だったが、「雷の呼吸」の壱ノ型「霹靂一閃」によって華麗に首を落としてみせた。
なお兄蜘蛛は戦闘が始まる前、選抜試験をくぐり抜けた鬼殺隊の一般隊士を何人も返り討ちにしていたようなので、善逸は物語初期のこの時点で相応の実力を持っていたことがわかる。
また「遊郭編」の11巻では、上弦の陸・堕姫と戦っている最中に「霹靂一閃」をさらにパワーアップさせた「神速」を披露。堕姫は予想を上回る速度で肉薄してきた善逸に、思わず「速…っ」と焦りを感じることに。次の瞬間には、その首に刀が食い込んでいた。「柱」を7人食べてきたという鬼をここまで追い詰めてみせた善逸は、一般隊士としては規格外の強さだと言える。
さらに戦い方が洗練されていることも、善逸の強みだ。鬼との戦いでは刀に激しい消耗が生じるもので、炭治郎は下弦の伍・累との戦闘で刀を折られ、上弦の陸・堕姫戦では錦帯と切り結ぶなかで刃こぼれを生じさせていた。しかし善逸は一度も日輪刀を折られたり、刃こぼれさせたりしていない。それだけ刀さばきが見事だったということではないだろうか。
ちなみに善逸は「雷の呼吸」の身のこなしについて、自分の身体の寸法や筋肉の1つひとつの形すべてを意識することが重要だと炭治郎に語っていた。ダイナミックな「霹靂一閃」の裏には、繊細な技巧の積み重ねがあるのだろう。
上弦の鬼を単騎で撃破するほどの実力
そして今回劇場版が公開された「無限城編」では、善逸がすべての潜在能力を解放して戦いに挑む。その相手となるのは、かつて兄弟子だった獪岳だ。
獪岳は欠員の穴埋め的な立ち位置ではあるものの、上弦の陸に選抜されるほどの実力。すでに多くの人間を喰っており、「雷の呼吸」と血鬼術を組み合わせた驚異的な戦い方を習得していた。
しかし善逸は、最初の斬り合いから速度で獪岳を圧倒。最終的には「雷の呼吸」の漆ノ型「火雷神」(ほのいかづちのかみ)によって一撃のもとに葬り去った。
胡蝶しのぶのセリフによれば、「上弦の強さは少なくとも柱三人分の力に匹敵」するとのこと。実際に作中で上弦の鬼を単独撃破した人物は、霞柱・時透無一郎しかいない。いくら獪岳が未熟だったとはいえ、「柱」でもない善逸が上弦の陸を1人で撃破したのは、大金星と言えるだろう。
しかもこの戦いにおいて善逸は、力をセーブしていた節すらある。というのも獪岳は弐ノ型「稲魂」、陸ノ型「電轟雷轟」などの攻撃を自慢げに披露していたが、善逸は終始回避に専念していてほとんど積極的に技を放っていない。
むしろ善逸は獪岳と言葉を交わすことで、「どこまで悪の道に堕ちたのか」を見極めようとしていたように見える。そして最後は和解の道が閉ざされていることを悟り、かつての兄弟子に引導を渡すのだった。
すなわち善逸がもし最初から獪岳を倒す気であれば、もっと早く「火雷神」の一撃で首を落とせていたはず。そうなれば負傷は浅く済み、引き分けのような形にもなっていなかっただろう。
また、「火雷神」という型の存在自体が剣術センスの高さを物語っているとも言える。というのもこの技は元々「雷の呼吸」に存在しておらず、善逸が独自に編み出した型だった。
『鬼滅の刃』の世界において、代々受け継がれてきた呼吸に新たな型を加えるのは、並大抵のことではない。無一郎が「霞の呼吸」に漆ノ型「朧」を追加したほか、冨岡義勇が「水の呼吸」に拾壱ノ型「凪」を追加しているが、「柱」クラスでも1つ編み出すのがやっとの難易度だと思われる。善逸は成長を続ければ、「柱」のなかでも有数の剣士になる器だったのではないだろうか。
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』では、善逸の戦闘シーンが驚くべき迫力で表現されている。ぜひ劇場まで足を運んで、その圧倒的な才能を見届けてほしい。
(文=キットゥン希美)

