2024年10月31日、米ワシントンの国務省で共同記者会見に臨む(右から)米国のオースティン国防長官、ブリンケン国務長官と韓国の趙兌烈外相、金竜顕国防相=ロイター

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 ブリンケン米国務長官は10月31日、8千人の北朝鮮兵がロシア南西部クルスク州に到着しており、「数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入されるだろう」との見方を示した。

2024年10月31日、ワシントンで共同記者会見に臨む(右から)米国のオースティン国防長官、ブリンケン国務長官と韓国の趙兌烈外相、金竜顕国防相=ロイター

 米ワシントンで開かれた米韓の外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の後の共同記者会見で、「最新の情報」として明らかにした。

 米国は、北朝鮮が約1万人の兵士をロシアに派遣したとみている。ブリンケン氏は、ロシア軍が北朝鮮兵に、砲撃や無人機などの基本的な歩兵作戦の訓練を行っているとし、「これらの部隊を前線の作戦に投入する意図を示している」と指摘した。北朝鮮兵がウクライナに対する戦闘や戦闘支援作戦に従事すれば、「正当な軍事目標になる」との見方も示した。ロシアが北朝鮮兵に頼っているのは「弱さの表れだ」とも強調した。

 オースティン米国防長官も会見で、ブリンケン氏と同様の分析を示し、「同盟国や友好国と、これらの無謀な行動と我々の対応について緊密に協議している」と述べた。

 ブリンケン氏は、北朝鮮のロシアへの派兵をめぐって今週、中国と「活発な議論」をしたとも説明。「中国は我々の懸念と、(北朝鮮の)活動を抑制させるために中国が影響力を用いることへの期待を理解しているだろう」と述べた。

 またブリンケン氏と岩屋毅外相、韓国の趙兌烈(チョテヨル)外相は31日、電話で協議。共同声明で、北朝鮮による31日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を強く非難し、「挑発的で、安定を損なう行為」をただちにやめるよう求めた。北朝鮮によるロシアへの兵士の派遣や武器移転も強く非難した。(ワシントン=清宮涼)