STVニュース北海道

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日没時間が早まるこの時期、北海道では歩行者がはねられる死亡事故が増える傾向にあります。

背景には横断歩道のない場所を渡る「乱横断」が後をたたないことがあります。

その現状を取材しました。

車道沿いに立ち、様子をうかがう女性。

そして、次の瞬間。

(山本記者)「車通りの多い道路を渡っています。前方から車が来ています。危ないです。トラックも来ています。乱横断、非常に危険でした」

横断歩道以外の場所を渡る危険な行為「乱横断」の瞬間です。

同じ場所ではその後も、危険な乱横断が何度も見られました。

(山本記者)「お辞儀をしながら乱横断。車が待つ状態になりました」

さらに、こちらの高齢女性は前から車が来ているにもかかわらず堂々と車道を歩いていきました。

乱横断が後を絶たないこちらの道路。

どのような場所なのでしょうか。

(山本記者)「車通りの多い交差点。あちらには横断歩道と信号がありますが、手前側のこちらは停止線のみで、本来なら歩行者が渡ることはできません」

すぐ近くには信号機がある横断歩道がありました。

なぜ横断歩道を渡らないのか、話を聞いてみるとー

(歩行者)「私は車が来ているか来ていないか見て、大丈夫だったら渡る。そこまで買い物行くのも高齢者は足が疲れているから」

堂々と乱横断していたこちらの高齢女性は…?

(歩行者)「間に合わないから。そこ渡った方が早いから。やっちゃいけないと思うけどやちゃうんですね、悪いけど」

しかし、軽い気持ちでの横断が死亡事故につながります。

道内では今月3日、旭川市で道路を横断していた72歳の男性が乗用車にはねられ死亡。

横断歩道のない場所を横断中での事故でした。

道警によると、2023年から過去5年間で、歩行者が道路横断中に起きた死亡事故は128件。

このうち約6割以上の80件が、乱横断による事故だったということです。

後を絶たない乱横断に、ドライバーからは嘆きの声が相次ぎました。

(タクシー運転手)「横断歩道回らないで道を横切るとかそういうのはたくさんある。こっちがいくら気を付けて運転していても危ないと思うから、これ以上気をつけようがない」

(タクシー運転手)「薄暗くなってくる時間帯に出てこられると、こっちも目が慣れていなくて見えずらい」

道警は日没時間が早まるいま時期、乱横断による事故が増えるため、横断歩道をきちんと渡るように呼びかけています。

(道警 交通企画課 大口純一課長補佐)「10月11月の時期が最も歩行者事故が多くなる。(近くに横断歩道がある場合は)必ず横断歩道を利用して安全に道路を横断することを守っていただきたい」

後を絶たない乱横断による交通事故。

命を守るためにも横断歩道をきちんと渡ることが重要です。