アイスショーに向けて「限界超えていきます!」と綴った羽生結弦(写真/松尾/アフロスポーツ)

写真拡大

《申し訳なく思っています》《何かを言うと誰かは傷つき、どの立場の人にも全員寄り添うことは人間として不可能だと思いつつ、ちょっとでも少ない痛みとなることを願っています》──羽生結弦(29才)が10月15日、自身のYouTubeの有料会員限定チャンネルで“謝罪文”を投稿した。めったに長文を投稿することがない彼が綴った1000文字もの文章。そこには彼の強い思いが込められていた。 

【写真】スーツ姿の羽生結弦。他、練習中の羽生結弦、キャリーケースを引く姿なども

 さいたまスーパーアリーナでの3公演を皮切りに、12月から来年2月まで、全国3都市7公演の単独アイスショー「Echoes of Life」に臨む羽生。現在はツアー準備のため、多忙な日々を送っているという。 

「スケーターひとりで、2万人ほどを収容するさいたまスーパーアリーナを3日間も埋めるなんて彼にしかできないこと。異例ずくめのショーになることは間違いありません」(興行関係者) 

 アリーナS席は3万円、最も安価な席でも1万5000円と、気軽に手を出せない価格設定でも、チケットはすでにプレミア化している。 

「特に初日の12月7日は、羽生さんの30才の誕生日とあって、チケット争奪戦が激化。会場周辺のホテルの宿泊代まで高騰しているほどです」(前出・興行関係者) 

 この競争をより過熱させているのが、中国人ファンの“参戦”だという。中国での羽生人気はすさまじく、昨年、中国に住む日本人のドキュメンタリー監督がSNSで行った「日本人の有名人で会いたい人」を問うアンケートでは、アニメ映画監督の宮崎駿さん(83才)や、著書が中国でベストセラーになっている社会学者の上野千鶴子さん(76才)などを抑え、堂々の1位になった。 

「中国の古参のファンは“先鋭化”していて、羽生さんの公演やイベントのために借金してでも来日するという人もいます。特に12月7日は、彼の30才の記念すべきバースデーを一緒に祝える特別な機会。当然、中国からも大勢のファンがやって来るでしょう。今回、チケット予約を受け付けているテレビ朝日のサイトは日本語表示だけ。そのため日本語が読めない中国人向けに、チケット購入をサポートするサイトやサービスが乱立しました」(中国事情に詳しいジャーナリスト) 

 こうした事情もあり、「Echoes of Life」のチケット当選確率はかなり低く、10月中旬にYouTubeの有料会員に向けて当選結果が発表されると、SNS上には喜びと悲しみの声、そして戸惑いの声があふれた。 

「どうやら重複当選者がそれなりにいて、当選発表と同時に高額転売が横行したため、羽生さんのSNSにファンからクレームが殺到したそうです。それを受けて、羽生さんが直々に謝罪するに至りました」(前出・興行関係者) 

 それが冒頭の言葉というわけだが、もちろん羽生本人に責任があるわけではない。羽生は《僕に教えていただいたとて何ができるわけではないのです》と前置きした上で、自身が考える転売を防ぐ方法を綴り、謝罪した理由をこう語った。 

《僕が悩んだことを悲しむ方々もいるだろうなと思いつつも、皆さんの意思や意識が少しでも一つになっていけたらいいなと思い、勇気を振り絞りました》 

「アーティストがチケットの転売について言及するのはとても稀なこと。しかし、羽生さんはファンの気持ちを慮ってそのことに触れた。この投稿に心を揺さぶられたファンも多かったようです」(前出・興行関係者) 

 ファンと羽生の結束がまたひとつ強固になった。 

※女性セブン2024年11月7日号