NY外為市場=ドル上昇、150円台後半 米大幅利下げ観測後退

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[ニューヨーク 21日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが上昇した。一連の堅調な経済指標を受け連邦準備理事会(FRB)は利下げを急ぐ必要はないとの見方が広がっていることを背景に、米国債利回りが上昇したことが支援要因となった。11月5日に米大統領選を控え、ポジション調整が入っていることも相場に影響している。

ドルは対円で一時150.83円と、約9週ぶり高値を更新。終盤の取引では0.84%高の150.77円。27日投開票の衆院選について、世論調査では自民党の獲得議席数を巡る見方が分かれているものの、市場では自民党と公明党が勝利するとの見方が強まっている。

ドルを巡っては、好調な経済指標が相次いだことでFRBの積極利下げ観測が後退。これまでの16営業日のうち14日で上昇したほか、週足では3週連続で上昇している。 

CMEフェドウオッチによると、FRBが11月の会合で0.25%ポイントの利下げを決定する確率は87%。金利が据え置かれる確率は13%。1カ月前は、少なくとも0.25%ポイントの利下げの可能性が完全に織り込まれていたほか、50.4%の確率で0.50%ポイントの大幅利下げが決定されるとの見方が出ていた。

バノックバーン・グローバル・フォレックス(ニューヨーク)のチーフ・市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「市場で出ている観測がおのずと修正され、FRBが示している見方に収れんしつつある」と指摘。「米経済指標は堅調で、来週発表の国内総生産(GDP)統計でも改めて堅調さが確認される」との見方を示した。

FRB当局者の間では、ダラス地区連銀のローガン総裁がこの日、FRBは今後も追加利下げを行うと予想。ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁も、向こう数四半期にわたり「緩やかな」利下げを予想しているとの見解を改めて示した。

終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.53%高の104.01。

ユーロ/ドルは0.5%安の1.0811ドル。       暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが1.79%安の6万7521.00ドル。    

ドル/円 NY終値 150.83/150.85

始値 149.93

高値 150.88

安値 149.76

ユーロ/ドル NY終値 1.0815/1.0816

始値 1.0847

高値 1.0859

安値 1.0812