「できない、できない」が口癖の日本人へーー「まだできてないだけ」と切り替えて“成功者“になる東大AI博士の思考法

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韓国で生まれ育ち、子供の頃は家庭内の暴力やいじめに悩み、高校への進学はせずに、16歳で東京大学に合格した東大AI博士のカリスさん。

こうした「社会的成功」をカリスさんは「一発逆転思考のおかげ」だとする。

挑戦し続けることで一度でも成功をすれば“勝ち組”になることができるが、カリスさんから見ると多くの日本人は失敗を過度に恐れ、一歩踏み出す勇気が持てていないようだ。

そもそも失敗なんてなく、うまくいかなくてもそこから学び、「Nice Try!」と捉え、挑戦を重ねていけば気づけば“成功者”になっているはずだという。

こうした逆転の思考をまとめた著書『誰でも“天才になる”方法』(扶桑社)から、「できない」から「できる」へと変わる思考法について一部抜粋・再編集して紹介する。

「自分はダメ」→「まだできてないだけ」

現代を生きる日本人に最も足りないのは「覇気」と「発想力」である。

その証拠に、「できない、できない」が口癖の日本人は多い。

・どうせ……
・〇〇がない
・自分には無理
・これは難しい
・できるはずがない
・うまくいくわけがない

こんな言葉をやる前から平然と口にしている。変われない自分を正当化するかのように、言い訳をまず考えている。

なあなあと日々を過ごし、傷の舐め合いがしたいだけの「思考停止状態」に陥っているのだ。

しかし、やってみる前から自分の限界を決めて、考えてみる前から自分の限界を決めていたら、才能と運があったとしても壁を越えることはできない。諦めるのは、まだ早い。

「たとえ非常な困難にぶつかっても、何くそ『やればできるのだ』と考えて人一倍の努力で立ち向かえば、心は限りなく大きくなり、すぐれた創意工夫を生んで、必ずその困難をのり越えることができる」―松下幸之助(松下電器産業創設者)

自分の人生は、自分の力で好転させる

「We become what we think about」

長期的に見れば、人はありたい自分としてあり続ける。変わりたいという「覇気」と、どう変わるべきかという「発想力(=逆算)」がある限り、人生は何度も転びながらも、好転していくからだ。

子どものころの経験を思い出してほしい。

僕たちは転びながら学び、痛い思いをしながら学び、最終的には補助輪なしで自転車に乗れるようになった。

いきなり強いわけじゃない。いきなりできるわけじゃない。ぶつかりながら、繰り返しながら、僕たちはなりたい自分になっていく。

「人生は自転車に乗るようなもの。バランスを保つには、こぎ続けなければならない」―アルベルト・アインシュタイン

選ぶのは楽しい人生?楽な人生?

周りを見渡すとほとんどの人は、転ぶのが嫌で、人に笑われるのが嫌で、「楽しい人生」を自ら諦めて、人の顔色を窺う「楽な人生」を選んでいる。

たとえば多くの貧乏人は、結局「貧乏であっても仕方がない」と、挑戦を心底諦めて、嫌な状況に甘んじてしまっている。

同じく、仕事が遅い人や、勉強が苦手な人、口下手な人、モテない人も、変化するための「覇気」と「発想力」が欠如している人がほとんどなんだろう。自分に自信が持てないが故に、ストレスばかり抱えながらも、傷つくことに怯え、嫌な状況を受け入れているのだ。

僕は日本生まれではないし、日本に来たのも17歳になってからだが、大抵の日本人よりは日本語ができる。

それは、「日本語ができない自分」を決して受け入れたりせず、変わるために、日本語の本を5000冊近く読んできたからに他ならない(500冊も読まないうちにネイティブにはなれた)。

「できる」と「一度でできる」は同義でない

自分の限界なんて、誰が知るのか。

僕は、まだ飛び込みもせずに、無理だと決めつけたくはない。

なにせ、あなたが無気力になってしまったのは、あなた個人のせいではない。時代錯誤的な「出る杭は打たれる」教育のせいである。

幼稚園で子供たちに質問すると、自分こそが特別だと言わんばかりに、子供たちは間髪入れずに手を挙げて自由な発想を語る。

でも小学校に入った途端に締め付けられ、「みんなのため」「みんなと一緒」を植え付けられた挙げ句、凡人になっていく。

「子供は誰でも芸術家だ。問題は、大人になっても芸術家でいられるかどうかだ」―パブロ・ピカソ

だが、人生をやり直すには、特別な自分に戻るには、まだ遅くない。過去の自分に誇れる自分になるのは、そんなに難しくない。特別な自分であれば、どんな「大胆かつ冷静」な発想をするのか想像してみて、なりきればいいだけ。

できるできる。まだできないだけ!

「できる」と「一度でできる」は同義ではない。やってみて、できなかったら、「まだできないだけ」である。うまくいかなくても気にせず、できると思い込んで行動し続ければ、本当にできるようになる。

夢は追うものではなく、背負うもの。

野心の高さが、あなたの未来を決定づける。

カリス(東大AI博士)
1993年、韓国生まれ。大阪大学・招へい准教授。長崎大学・特任准教授。博士(情報理工学/東京大学)。医療AI/創薬AI研究開発にすぐ使える医用画像データプラットフォームを手がけるカリスト株式会社を2022年6月27日に起業。YouTubeチャンネル『カリス 東大AI博士』にて、科学的勉強法・科学的思考法・AIなどについて配信