東大AI博士カリスさんが教えるやる気を出す4つの脳科学的方法。「やる気」をなくすのも出すのも自分次第

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東大AI博士としてYouTubeチャンネルなどで科学的勉強法・思考法、AIなどについて配信しているカリスさん。

韓国で生まれ育ち、小中学校時代は家庭内暴力やいじめに悩み、高校に進学せず、ありったけの時間を全て過去問題に費やしてきた。自身が16歳で東大に合格できたことも「頭が良いからではない」という。

著書『誰でも“天才になる”方法』(扶桑社)から、勉強や仕事で「やる気」が起こらないときのやる気の出し方について一部抜粋・再編集して紹介する。

やる気なければ、やる気スイッチを押す

やる気がないから、勉強や仕事ができないわけではない。

やる気という言葉は、やらない自分を正当化するための言い訳に過ぎない。だから「やる気がなくなった」のではなく、「やる気をなくす」という決断を自分でしただけだ。

「変われない」のではなく、「変わらない」という決断を自分でしているだけだ。

面倒なときほどあれこれ考えがちだが、そうではなくて、一旦行動を起こしてしまえば、やる気も勝手に湧いて行動を貫けるようになる。

無理やりでも笑顔を作れば、誰でも幸せな気持ちになるように、行動は「慣性の法則」に従うのだから。

人間だって動物なんだから、ドーパミンやオキシトシンのような脳内麻薬がドバドバ出る行動以外は、自発的に行わなくて当然である。

そこで、「頑張らなくても」やるべき行動を継続できるように、行動の始発になるような「やる気スイッチ」を押すことを習慣化する必要がある。

僕は習慣的に、わからないことや新しいことに直面したら、とりあえず調べたり本を読んだりするし、仕事が乗り気でないか捗らないときは、とりあえず場所を変えたりして、行動のきっかけを作るようにしている。

「『やる気』という言葉は、『やる気』のない人間によって創作された虚構なんですよ」―池谷裕二(脳科学者)

やる気を出す、4つの脳科学的方法

やる気は、誰でも簡単に出せる。

やる気に特に関与しているのは、脳の運動野の隣にある「側坐核(そくざかく)」なので、この側坐核さえ刺激してしまえば、やる気は出せるから。

やらないといけないとわかっているけど、やる気が出ないときに使える、やる気を出すための脳科学的方法を4つ紹介しよう。

(1)5分だけやる:
5分だけでもやってみたら、運動野経由で側坐核も刺激されてやる気が出るので、案外何時間でも行動を継続できるようになる。逆に言えば、二度寝やゲームなども、5分だけのつもりが慣性で長引きやすいので、注意する必要がある

(2)場所を変えてやる:
場所を変えると新鮮な刺激が入って、海馬経由で側坐核も刺激されてやる気が出るので、場所を自分の部屋・リビング・図書館・カフェというふうにローテーションすると、気持ちを入れ替えて行動を継続できるようになる

 

(3)終わったらご褒美をやる:
報酬のことを考えるとドーパミンが出て、腹側被蓋野経由で側坐核も刺激されてやる気が出るので、「勉強が終わったら漫画を読む」「仕事終わりに映画を観る」というふうに頑張った後のご褒美を決めておくと行動を継続できるようになる

(4)ポジティブな自己暗示をやる:
自己暗示すると、前頭葉経由で側坐核も刺激されてやる気が出るので、「絶対に東大に受かる!」「出世して部長になる!」というふうにハッタリでいいから信じ込むと行動を継続できるようになる

この4つの方法は、僕自身も常に実践している。たとえば、受験生のときも、毎日寝る前に『魔法先生ネギま!』という漫画を20〜30分読むようにしていたからこそ、毎日12時間の勉強に耐えられたんだと思う。

自分の脳をハックして、毎日、英雄になろう。「勝利とは習慣なのだ」―ウィンズ・ロンバルディ(アメリカンフットボールのコーチ)

カリス(東大AI博士)
1993年、韓国生まれ。大阪大学・招へい准教授。長崎大学・特任准教授。博士(情報理工学/東京大学)。医療AI/創薬AI研究開発にすぐ使える医用画像データプラットフォームを手がけるカリスト株式会社を2022年6月27日に起業。YouTubeチャンネル『カリス 東大AI博士』にて、科学的勉強法・科学的思考法・AIなどについて配信