株主は「納得できない」と激怒…!福井銀行と福邦銀行の合併計画で「株価85%暴落」の裏事情

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「訴訟も辞さない」

金融庁が認定した福井県ナンバー1地銀の福井銀行と傘下の福邦銀行の合併計画は、10月1日、福井銀行株を1、福邦銀行株を0・038とする株式交換の効力が発生した。

当日の福井銀行株価が1853円で、それをもとにした福邦銀行株は約70円。かねて両行の合併に懸念を表明している「福井銀行・福邦銀行の経営改善を求める会」(被害者の会)は、過去の福邦銀行株の譲渡や今回の株価算定に疑義があるとして「訴訟も辞さない」(金森崇会長)と態度を硬化させている。

被害者の会が問題にしているのは、'21年10月に1株150円の第三者割当増資を行って福井銀行の子会社となった福邦銀行が、'22年3月期に34億円、'23年3月期に26億円と恣意的な赤字を計上して交換比率を下げ、福邦銀行の少数株主に損害を与えたというもの。その一方で福井銀行は、子会社化を承諾した福邦銀行オーナー家の株を、業績悪化を勘案せず'23年3月期中に150円で取得。

さらに18年前にはオーナー家関連企業の持ち株が1株450円で売買された過去があり、福邦銀行が非上場のため売却できずに持ち続けた株主(取引先)は、85%の暴落に「納得できない」と怒っている。

国から30億円の交付金が出る合併だけに、価格算定の妥当性が改めて問われよう。

「週刊現代」20241019日号より

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