父親が「知らない子ども5人」を集めて放置し…”12歳から1人暮らし”の若手芸人が経験した驚きの顛末

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10/13放送の日本テレビ系列「人生で一番長かった日」に出演し、破天荒な父親に振り回された子供時代のエピソードが話題を呼んでいる、お笑いトリオ「ぱーてぃーちゃん」のツッコミ担当・すがちゃん最高No.1。

Netflixで配信中の千鳥がMC・出演を務めるお笑いサバイバル番組コメディシリーズ『トークサバイバー!ラスト・オブ・ラフ』でも、そのダメ親父っぷりが語られ注目を集めました。

ここでは、【前回】に引き続きすがちゃんの初エッセイ『中1、一人暮らし、意外とバレない』(ワニブックス刊)より、自由すぎる父親のエピソードをご紹介します。

“カッコいい”と思えればできなんでもできる

一人暮らしをしていてだるかった作業は料理と、掃除だ。

掃除はとにかくだるい。やる気にならない。でもやらなかったら誰もしてくれないからどんどん部屋は汚くなる。

このままではいかん。掃除しなければ。と思うがなかなかその気にならない。

そんな時、俺は録画していたドラマ『池袋ウエストゲートパーク』、通称『IWGP』を見る。

粗暴な主人公が、「めんどくせぇめんどくせぇ」と言いながらも家のことをやる姿を見て、それを自分と重ね合わせ、家事をするスイッチを入れる。

そうすると、「めんどくせぇ」と言いながら家事をしている自分がカッコいいと思えた。

とにかく俺は“カッコいい”と思えればできなんでもできる、そんなマインドが備わっていった。

とある土曜の朝。親父から突然、

「おまえ今日何してるんだ」

とメールがきた。俺は、

「べつに……特に……」

と返すと、すぐに返信がきて、

「じゃあ迎え行くから待ってろ」

と。今までもそんな感じで飯に連れて行かれることがあったから、今回もそれか、と思う。

正直めんどいなと思いつつも、たまの外食ができるのもラッキーと思えたし、俺は素直に親父に従うことにした。

世にも奇妙な親父と五人の子供たち

しばらくすると、親父が家に迎えに来る。親父が俺を連れて向かったのは……あの喫茶店。

ここって、あの、霊媒師たもっちゃんが除霊した女の子のいた喫茶店じゃねーか……!

え〜もうなんか、すげー嫌な予感しかしないんですけど。

俺は親父と共に喫茶店に入る。

と、大きめの丸テーブルを囲んで子供が四人座っている。

俺と同学年くらいの、俺に雰囲気の似た男の子が一人。年下っぽい子で小2くらいの襟足金髪子供ヤンキーみたいな男の子が二人。そしてベビーカーに乗せられた赤ん坊が一人。

俺は、親父に促され、その丸テーブルの空いている席に座る。親父も座るかと思いきや、親父は立ったままで。

すると、親父があまりにも唐突にこう言った。

「よ〜い、スタート!」

……いや、何が?

親父はそれだけ言い残し、店から出て行ってしまう。

は? どういうこと?

もうあまりにも唐突なことで、俺は唖然とする。わけがわからない。これ、この後どうしろと?

残された、俺を含めた五人の子供たち。全員男。

他の客はいない。そこは、俺たちだけの謎の空間。

おそらくこの謎の空間で、年長者であろう俺。俺が、この謎の空間を回すしかないのか。

めんどくせぇ……。

俺は心の中で『IWGP』を再生し、そんなめんどくせぇことをやる俺、カッケェとセリフマインドコントロールし、俺以外の子供四人に向かって口を開いた。

「うん、……ね……」

いや、やっぱ何言っていいかわからんわ。

「えー……うん。みんなは……誰なんだろう? ははは」

笑うしかない俺。誰も何も答えない。俺のから笑いだけが、店に響いた。

キッツ! 何これ!

誰も、一言も、うんともすんとも言わない。お互いが誰なのかもわからない。

そんな地獄が1時間ほど続いた。しばらくして親父が帰ってくる。

「どうだった?」

いやどうもこうもねーわ! なんなんだよこれは!

「なんだ、何も話さなかったのか。……まぁいいか」

は? と困惑する俺を他所に、謎の五人の子供たちはそれぞれ帰宅していった。

いや、なんだったんだよ、あの時間‼

天下一自由な親父

そんな史上最悪の無駄な時間を過ごしたのだが、驚愕したのは、そのあと親父から一切! なんの説明もなかった、ということ。

あの五人が誰だったのか、なぜ親父はあの空間に五人集めたのか、親父は一体何がしたかったのか。一切は謎のまま……。

だから、ここからは俺の推測だ。

もしかしたら、あの五人は全員腹違いの兄弟だったのではないだろうか。

つまり、全員親父の子供。

親父はいたるところで女の人に手を出しまくっているみたいだし、ありえない線ではない。

よくよく思い出してみれば、全員の顔が親父に似ていないこともない。ような気がする。うん、あくまで気がするだけ。

もし仮に、あの五人全員が親父の子供だったとしたら、親父がやろうとしていたことは、

「この中で誰が一番の子供か決めろ」

的なことだったのではないだろうか。

誰が俺の意志を継ぐのか的なことをやろうとしてたのではないか。天下一親父武闘会を……。いや赤ん坊不利すぎるだろ。

ん〜……考えても考えてもわからない。腹違いの兄弟だったとしてもこれから一緒に住もうなんて発想を親父が持っていたとは到底思えないし……もはやただのおもしろ半分としか……。

結局、一切が謎のままだ……。

何もかもわからずじまい。

わかるのは、親父が死ぬほど自由な男だ、ということだけだ。

【「公立高校に受かったら“100万円と車”をあげる」…衝撃のセリフにすがちゃん最高No.1が思ったこと】では、引き続きすがちゃんの壮絶な人生についてお読みいただけます。

「公立高校に受かったら“100万円と車”をあげる」…衝撃のセリフにすがちゃん最高No.1が思ったこと