中日・根尾昂は来季が正念場……井上新監督の器量で「ネオ根尾」に覚醒する日

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立浪監督に振り回されて

「3年間結果を出すことができず、すみませんでした。志半ばでチームを退くのは残念で悔しい思いです」

チーム最終戦のセレモニーで、中日ドラゴンズの立浪和義監督(55歳)はそう別れの挨拶をした。'22年に監督に就任して以来、球団史上初となる3年連続最下位となった責任を取って退任する。

その立浪に振り回されたのが根尾昂(24歳)だ。

「'21年は主に外野を守って自己最多の72試合に出場。'22年も外野手として一軍でスタートを切ったのですが……

立浪監督は4月にショートへ再転向させ、5月には一軍マウンドで投げさせました」(中日担当記者)

翌'23年は投手に専念するも、登板はわずか2試合。今季も一軍登板は3試合で、先発の機会は1度しか与えられなかった。

「『根尾を生かさないといけない』という立浪監督の言葉は、最後まで宙に浮いたままでした。それでも根尾は、『自分のいろいろな可能性を探ってくれた』と、感謝しているそうです」(球団OB)

“ネオ根尾”となれるか

根尾にとって指揮官の交代は、大きな転機となる。来季から新監督に就任するのは、井上一樹・二軍監督(53歳)だ。

指導者としての能力だけでなく、「悪く言う人はいない」ほど人間性が優れていると評される。

「選手から慕われ、モチベーションを上げるのがうまい。根尾のことも気にかけていて、一人の野球選手として見た場合、『野手一本のほうが活躍できる』と考えています。

一方で、『ピッチャーでやりたい』という本人の意思も尊重している。監督から押し付けるのではなく、根尾と同じ目線になり、本人の望むポジションで起用するでしょう」(前出の担当記者)

来季が正念場。覚醒して“ネオ根尾”となれるか。

「週刊現代」2024年10月19日号より

中日・井上一樹新監督で「4年連続最下位」は回避できる!…立浪にはなかった「意外な才能」