「一時期自信を失いかけていた」長濱ねるが報道番組出演で考えた「意見を言う」ことの意味

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発信することで社会や未来へ“つなげる”

長濱ねるが日常生活で学んだこと、発見した気づき、周りの人と話したいことをトークテーマに発信する連載。

あらゆる多様な価値観や文化の違いを理解する、しなやかな思考を育むため、日常での気づきや仕事で学んだこと、感情の変化をシェアしていく。

長濱ねるから皆さんへ“つなげる”、そして社会や次世代に“つなげる”。そんな思いと希望を込めて。

「こんにちは、長濱ねるです。10月1日より、日本テレビの報道番組『news zero』に火曜パートナーとして出演しています。昨年1ヶ月間、金曜パートナーとしてお世話になった番組に、また出演する機会をいただきました。生放送の報道番組ということでとても緊張していますが、藤井貴彦アナを始め、共演者の方がたのお力を借りながら、私の言葉をお伝えしていきたいと思います。今回は、『news zero』の出演から感じたことなどをお話しさせていただきます」

報道番組で自分が求められていること

「冒頭でもお伝えした通り、昨年、1ヶ月間でしたが『news zero』に出演する機会をいただき、当時から報道番組に自分が出演する意味をずっと考えていました。環境問題に精通していたり、何かの専門分野に長けた知識があるわけでもない私がこの番組に出演してできることとは? どのような立ち位置で臨むことが正解なのだろうか?という思いがずっとありました。

報道番組への出演は、とても勇気がいること。瞬時に伝えたいことをまとめられないのではないか、臨機応変な対応が自分にできるのだろうか? 心配事を考え始めるとキリがなく、不安になる一方でした。

当時、とあるニュースについてコメントする場面で、自分の言葉に迷ってしまったことがありました。『この発言はキツ過ぎる?』、『私の発言で誰かを傷つけるかも?』。 CM中に悩んで不安に過ごしている私の姿をアナウンサーの方が察してくださり『ねるさんの言葉で、ちゃんと言い切った方がいいですよ。多方面に配慮することも大事だけど、ねるさんの立場で、ねるさんの言葉で話してもらうことで、救いになる人が絶対います』と励ましてくださり、その時、初めて自分がここに居る意義を見つけられた気がしました」

自分の視点で自分の意見を言うことが役割

「その出演から約1年が経った今年の夏、都知事選を目前に控えたタイミングで、私がインスタのストーリーズで投票を促す強い言葉を発信してしまい、批判を集めてしまったことがありました。すごいスピードで自分の言葉が拡散され、ネガティブなコメントも目にし、自分の意見を発信することが怖くなってしまって。政治や社会問題について発言することが、俳優のお仕事の妨げになってしまうのではないかという不安も生まれました。

意見を発信することに自信失いかけていたのですが、そんな時、信頼している事務所の方から『これからは、そうやって自分の気持ちを素直に伝えられる人が求められる時代にきっとなる。だから、怖がらず、今まで通り自分の意見を発信し続けて』という言葉をかけてもらって。自分を肯定してもらえたようで、そこからだんだん心が楽になっていきました。

こちらの連載でも何度かお話ししていますが、自分の言葉で“誰か”を傷つけてしまうことに私はずっと怯えていました。“誰か”の痛みを想像できる人でありたい、いろんな視点を持っていたいと思っています。しかしながら、それが時に、意見を控えてしまうブレーキにもなっているんだなと気づくことができました。 “誰か”の外側にも“誰か”はいて、それぞれ事情や見える世界も違う中で、この表現なら傷つかないというボーダーラインまで私が網羅できると思っていることの方がおこがましいのかもしれない。 だからこそ、私にできることは自分の視点で、意見を言うこと。私の役割担当は、“自分”でしかないんだ!と思えるようになりました」

知らないことを知らないと言う勇気

「『news zero』では、知ったかぶらないで挑む!ということも心に決めています。

以前、映画についてコメントをするお仕事をしている時に、『昔の大名作の○○○という映画を観たことありますか?』、『有名な○○○監督についてですが……』というような話題になり、知らないことを知らないと言えない自分がいました。でもそれは、会話を深めるためには必要ないことなのかなと。何か問われた時に、『知りませんでした』と言うことで『そんなことも知らないのか』と思われたらどうしよう、知らないことは恥ずかしいことだ、と考えていました。

知らないことを知っているように振る舞ったところで、薄いコメントになってしまうし、それ以降のコメントも薄っぺらく聞こえてしまうかもしれない。だったら、潔く知らないことは知らないと言える人になりたいなと。無知な自分を見せることはもちろん恥ずかしいのですが、でもそれが現時点の私です。20代の今の自分が感じることを素直に話していきたいと思っています。よかったら番組を観て、感じたことを皆さんも誰かとシェアしてみてください。

いよいよ私の世代も被選挙権がある年齢になりました。これまで政治は外から見ているちょっと遠くのことでした。でも、もう自分たちが指揮をとり、下の世代のために未来を切り拓くフェーズに入ってきていると感じています。 『若い人は意見がない』と思われがちですが、本当はそんなことはないんです。同世代で集まって話しているとみんな実はちゃんと意見があって、ただそれを口にしていないだけということが分かります。発信することだけが道ではないですし、それぞれができる範囲で、できることをやっていけるはず。実は希望があると思うんです。 私は未来に希望を持ち、自分の担当として、自分の意見を伝えることを続けていきます」

続く後編は、今月のねるさんについて。ドラマ『若草物語-恋する姉妹と恋せぬ私-』の撮影中という最近の様子についてお伝えします。

スタイリスト/辻村真理 ヘアメイク/林由香里 取材・テキスト/伊藤由美子

【1ページ目文中の写真】ビスチエ67100円/ドール TEL:03-4361-8240(FUMIE TANAKA) キャミソール37400円/TAN contact@tanteam.up

【2ページ目文中の写真】ベスト27500円、ワンピース27500円/アイエムエヌケーTEL:03-6277-0378(ナウンレス) パンツ38500円(ハイクル)、バングル26400円・リング26400円(ニナ・エ・ジュール)、ネックレス55000円(マッソーズアンドマッソーズ)/ショールーム ロイト TEL:03-6277-0378

【3ページ目文中の写真】ワンピース64900円/ミュラーオブヨシオクボ TEL:03-3794-4037 キャミソール10780円/レイ ビームス 新宿 TEL:03-5368-2191(レイ ビームス) ピアス15400円・ネックレス 31900円/ショールーム ロイト TEL:03-6859-8112(カラ・ユ)

長濱ねるがドラマ『若草物語』の脚本を読んで共感した、20代がぶつかるリアルな課題