課題を正しく学び、楽しく伝える。#FRaUサステナ部員の「エシカル・コンシェルジュ」への道

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今年の春から始動した#FRaUサステナ部。vol.1では、「オイシックス・ラ・大地」とともに食の課題について考え、vol.2では、「ラキャルプフェス」のフェムテックアワードを決める審査員を務めました。そしてvol.3では、エシカルの本質を学ぶ教育プログラム「エシカル・コンシェルジュ講座」受講生(14期生)として、#FRaUサステナ部員から7名が参加。まさに今、持続可能な未来の実現に向けて、学びを深めている真っ最中!

そんな中、全10回のプログラムも折り返し地点にさしかかった夏の終わり、受講生同士でのアウトプットを目的としたオンライン交流会が行われました。その様子をお届けしたいと思います。

▶︎講座の詳細はこちらをチェック!

https://ethicaljapan.org/concierge

#FRaUサステナ部とは

FRaU SDGs会員のみなさんと、同じゴールを目指す仲間として、社会課題解決に向けともに行動する部活。世界中で山積みになっている社会課題を、楽しみながら学び、行動へと繋げる体験型イベントです。友だち同士で情報交換するような、“楽しい”を共有する場として使っていただけたらうれしいです。

▶#FRaU サステナ部 の様子はこちらからチェック!

vol.1 https://gendai.media/articles/-/127543

vol.2 https://gendai.media/articles/-/135366

「講座を受け、やめたこと、新しく始めたことはありますか?」

「エシカル・コンシェルジュ講座」は、エシカルの本質について学び、考える教育プログラム。これまで累計15,000人以上が受講しています。

気候変動 、再生可能エネルギー、動物福祉、ジェンダーをはじめとする社会課題において、活動実績と専門性を備えた講師から、最新かつ具体的な考え方や視点を学びながら、仕事や日々の暮らしを新たな視点から捉え直し、「持続可能な世界の実現とは何か」を受講生みんなで考えていきます。

また、すべての講座を受講し、既定の条件を満たした人には、「エシカル・コンシェルジュ講座」修了証が発行され、「エシカル・コンシェルジュ」として自身の活動に活かすことができます。

中間アウトプットの場として設けられたオンライン交流会には、国内外のエシカル・コンシェルジュ講座14期生の中から、#FRaUサステナ部員を含む約40名の受講生が参加。(なんといちばん遠い場所では、オランダから参加するかたも!) 参加者全員で交流するだけでなく、いくつかのグループに分かれ、いま感じていることやアクションとして取り組んでいることなどを共有し合いました。

ファシリテーターを務めるのは、エシカル・コンシェルジュ講座を主催する一般社団法人エシカル協会 代表理事の末吉里花さん。

「講座を通じて、やめたこと、続ける決意が強まったこと、

新たに始めたことなどあれば教えてください」

末吉さんから投げかけられた質問に、さまざまな意見が飛び交うなか、とくに多かったのは、「自宅の電力を再生可能エネルギーのハチドリ電力に変えた」という声。次に多かったのは、「コンポストを始めた」「平飼いたまごを選ぶようになった」という声でした。

ほかにも、「お肉の無駄な消費を減らした」「今まで億劫だったけれど、妻にエシカル消費について少しずつ伝えるように」「服も食品も必要以上に買わないようにしている」などといった声もあがりました。

プラスチック包装ゼロを導入する鎌倉のケーキ屋「YOKO BAKES」店主のスパニアリー容子さんは、これからもプラスチック包装ゼロを貫く決意を新たにしたと語りました。

「店をオープンして3年間、ずっとプラスチック包装ゼロを守り続けてきました。けれどゼリーなど夏のスイーツは、どうしてもプラスチック容器がないと厳しい。『ちょっとくらいならいいかな』と、プラスチック容器のサンプルまで取り寄せてはみたものの、エシカル・コンシェルジュ講座を受け、やっぱり使わないという結論に至りました!」(YOKO BAKES店主 スパニアリー容子さん)

受講生たちの「暮らしのアクション」「リアルな課題」

4、5人のグループに分かれたブレイクアウトタイムでは、2つのテーマについて、それぞれの意見を語る時間に。その内容の一部をご紹介します。

テーマ1

「暮らしの中で興味を持って取り組んでいること。難しいと感じている課題」

【取り組んでいること】

・社会の課題とどう繋がっていけばいいのか、また人に伝える際の「伝えかた」に関心あり、自分なりに向き合っている。

・環境問題に関心のある中高生たちが繋がれる場所をつくりたいので、ニーズをヒアリングしている。

・食事をする際、食材のありがたみや生産者への感謝の気持ちが強まった。

・これまでより丁寧に消費行動をとるように心がけている。

・鎌倉でビーチクリーンをしている。神奈川美化財団は、掃除道具のレンタル、専用ごみ袋の提供だけでなく回収までしてくれる。

・買い物をするとき、本当に必要かどうか。中古も視野に入れるようになった。

・自分の活動をSNSで発信することで、人とつながることができた、輪が広がった。

【課題に感じていること】

・人に伝えるときにイライラするのは、意欲が高い証拠。

・伝えること、ネットワークづくりが難しい。気軽に話し合える場が欲しい。

・オーガニックコットンが好きなので欲しいが、単価が高くて手が出せない。

・10年ほど平飼いたまごを販売しているが、需要が高まらない。

・電力会社を再生可能エネルギーにしたら停電しやすい、電気代が高くなるなど、誤った解釈をしている人がいる。

・意識の高い人という印象を与えずして、興味関心のない人にどう伝えるか。

・自宅に庭がないのでコンポストの土の活用に困っている。

テーマ2

「講座の学びを経て、今後やってみたいことを教えてください」

・肉食を減らしていきたい。

・エシカルに関連する店を選ぶようにしたい。

・もっと人を巻き込んで、広げて、声をかけていく。

・子どもへのゴミ分別活動を行っていきたい。

・現場に足を運ぶ、目で見て体験する。

・小規模でいいので、環境にまつわるセミナーを開催したい。

・地元の市議会議員のかたにアイデアや要望を伝えたい。

・ヴィーガンが社会に与えるプラスの要素を伝えていきたい。

同じゴールを目指し、日々奮闘する仲間同士。これまで心に抱えていた素直な思いが溢れ、時間が足りなかった様子でした。

最後は、「行動しているのに周りに伝わらない、社会は変わってくれないなどと、“できないこと”にフォーカスするのではなく、“できていること”に感謝の気持ちを持つことが大事だと思います。画面越しとはいえ、少なくともここにいる人たちはみんなお互いの行動に感謝し、支え合う仲間であることを忘れないでほしい」という受講生の心強いメッセージで締めくくりました。

次回は、すべてのプログラムを終え、「エシカル・コンシェルジュ講座」修了証を手にした受講生らのオフライン交流会の様子をお届けする予定です。お楽しみに!

取材・文/大森奈奈

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