中国軍機の領空侵犯についての質問に答える木原防衛相(8月27日)

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 木原防衛相は24日の記者会見で、ロシア軍の哨戒機が北海道・礼文島北方で領空侵犯したことについて、「挑発的な行動だ」と強く非難した。

 8月には中国軍機による領空侵犯もあり、中露が連携して日本への軍事圧力を強めているとみられることから、日本政府は警戒を強めている。

 日本周辺では8月26日に中国軍の情報収集機が初めて領空侵犯し、その後も中国海軍の空母「遼寧」が初めて日本の接続水域を航行した。木原氏は「短期間にこうした事案が立て続けに起きていることに強い危機感を持っている」と語った。

 中露両軍の艦艇が今月22〜23日に礼文島付近の宗谷海峡を共同航行しており、海自トップの斎藤聡・海上幕僚長は24日の記者会見で、23日の露軍機の領空侵犯と「関連している可能性がある」と指摘した。

 領空侵犯を受け、岸田首相は23日午後(日本時間24日未明)、訪問先の米ニューヨークで記者団に「極めて遺憾だ」と述べ、警戒監視に万全を期す考えを示した。

 今回、航空自衛隊が強い光と熱を発する「フレア」を使用して警告したことに関して、自民党総裁選候補者からは24日の党政策討論会で評価する声が相次いだ。

 加藤勝信・元官房長官は「強く支持する」と述べ、高市経済安全保障相も「しっかりと対処していただいた」と語った。小林鷹之・前経済安保相は「抗議や遺憾のコメントを繰り返すだけでは、領土、領海、領空を守ることはできない。具体的な行動で示していく必要がある」と強調した。