Jリーグは24日、都内で理事会を行い、1999年から継続してきた「プロABC契約」の撤廃を含む、選手契約制度の大幅な改定を行うことを決定した。2026年シーズンから、プロ入りする新人選手の年俸上限額は当初の670万円から1200万円に引き上げることが決まった。

 改定は以下の通り。

 〈1〉プロ契約におけるABC区分を撤廃(2026年シーズンから)

 〈2〉プロ契約締結初年度の報酬上限規制を緩和(2026年2月1日から) 基本報酬1200万円+支度金500万円(いずれも消費税別)

 〈3〉プロ契約の基本報酬の下限を新設(2026年7月1日から) J1リーグ=480万円、J2リーグ=360万円、J3リーグ=240万円(いずれも消費税別)

 ※プロ選手の最低人数を各クラブ20人以上に設定。18歳以下のプロ契約選手は、年俸下限の例外対象とすることもできる

 Jリーグでの方針決議後、今回の改定に関係する各種規則等を見直し、JFAにおける理事会の決議を経た上で、改定は施行となる。

 野々村芳和チェアマンは「プロABC契約制度が始まってから約25年が経(た)ち、現在は『海外リーグとの競争』や『日本のプロスポーツ界の発展』など、当時とは大きく環境が変わっています。サッカー選手になりたい、Jリーグで活躍したい、と思ってもらえるような制度の改革が必要だと考えていました。今回、吉田麻也会長をはじめとした選手会の皆さんと多くの議論を重ね、プロ選手のステータス向上や競争を促進していくことを目的に、新たな制度を設計いたしました。昨年のシーズン移行検討と同様、60クラブや多くの関係者とも『Jリーグの未来』について時間を掛けて何度も話し合いをしました。国内・海外の選手や、サッカー選手を目指す子どもたちから、Jリーグが選んでもらえる存在となり続けられるよう、引き続き、様々な制度改革・環境整備を進めていきたいと思います」とコメントした。

 日本プロサッカー選手会の吉田麻也会長は「選手契約制度の改定に向けて、Jリーグ、Jクラブ、JFAの関係者の皆さまには、真摯(しんし)に弊会とお話し合いいただき、全選手を代表し、深く感謝申し上げます。プロABC契約の撤廃は、歴代選手会長から引き継ぐ悲願でもあり、弊会会員、役員とたくさん意見交換してまいりました。今回の改定は、世界トップレベルのリーグ、クラブ、選手を目指す今後の日本サッカーにとって、とても大きなことと感じています。引き続き日本サッカーの未来のために、しっかり話し合っていきたいと思います」とコメントした。