会見に臨む中村喜四郎氏=2024年9月24日午前11時45分、水戸市、宮廻潤子撮影

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 衆院茨城7区を地盤とする立憲民主党の中村喜四郎衆院議員(75)=比例北関東=が24日、茨城県庁で記者会見を開き、次の衆院選に出馬せず、政界を引退する意向を明らかにした。

 現在、当選15回。現職の国会議員としては小沢一郎衆院議員(82)=比例東北=の18回に次いで2番目だった。

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 解散・総選挙の可能性が取り沙汰される中、高齢であることを理由に、進退について地元の支援者に相談していたという。会見で「そろそろ出処進退を決めないといけないと思い、心身とも健康なうちに辞めるべきだと確信した」と述べた。

 中村氏は田中角栄元首相の秘書を経て、1976年に旧茨城3区から無所属で出馬し、27歳で初当選。追加公認を受け、自民党入りした。

 旧建設相や科学技術庁長官を歴任したが、94年にゼネコン汚職事件をめぐって東京地検特捜部に逮捕された。2003年に最高裁で上告が棄却され、収賄罪で実刑が確定。失職し、収監された。刑期を終え、05年の衆院選で茨城7区から無所属で出馬し、国政に返り咲いた。

 強固な後援会組織「喜友会」に支えられ、無所属となっても17年の衆院選まで選挙区で当選を重ねたことから「無敗の男」と呼ばれた。しかし、立憲民主党から出馬した21年の前回選挙で自民候補に僅差(きんさ)で敗れ、比例で復活していた。(宮廻潤子)