「売春あっせん」に「児童相談所からの脱走」…「トー横キッズ」の振る舞いがどんどん酷くなっている

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新宿の歌舞伎町にある広場に集まり、風邪薬や睡眠導入剤の過剰摂取や売春などが問題視されている「トー横キッズ」。度々行われる一斉補導や広場を柵で囲うなどの対策を行ったものの、柵を乗り越えることを楽しむ者がいるなど効果はないようだ。警察や区による介入が行われているにもかかわらず、トー横キッズの振る舞いはひどくなる一方なのだという。どんな状況になっているのか調べてみると、驚きの実情が浮かび上がってきた。その一部を紹介する。

最近のトー横広場について詳しい記者によると、トー横キッズはSNSなどのバズ目的でよく動画を撮られているのだという。

「YouTubeやSNSではトー横キッズたちが暴れている様子がバズりやすいようで、よくユーチューバーやインフルエンサーが動画を撮りに来ていますね。その結果、ネットニュースに何回出たのかが彼らのステータスになりつつあるそうです。インタビュー慣れしている子も多いですね」

実際に現地に行ってみると、新宿区が雇った警備員や警察官の巡回を気にする素振りはなく、段ボールを敷き、座って談笑する者や飲酒をしている姿が散見される。

乱闘寸前の騒ぎが続いているにもかかわらず、トー横に集う人々は『これが日常』と言わんばかりに、各々が勝手気ままに過ごしていた。

その中のひとりに声をかけてみると、17歳の少年Aはネットニュースに出られるなら、とインタビューに応じてくれた。

「トー横で飲酒と喫煙をしているところを見つかって、2回児童相談所送りになりました。ついたその日に脱走しようとしたら、二度と来るなって相談所の人に言われました(笑)。捕まえるのはそっちなので、ぜひ出禁にしてほしいです」(少年A)

今回声をかけた少年が所属している集団は13歳から19歳の若者で構成され、家に帰ることは少なく、トー横で過ごしているという。その中の18歳の少女Sは「案件」と呼ばれる仕事を紹介することで仲介料を貰い、日々の生活費にしているといい、こう続ける。

「案件はパパ活の一種で、手や口でやる“プチ”から本番行為をやる“オトナ”、食事に散歩といろいろあります。私は体を売ることはないですが、売りたい少女と買いたい男性を引き合わせてお小遣いを稼いでいて、プチだと大体2〜3000円ほどが仲介料です。前まではSNSで仲介をしていましたが、今はアカウントが凍結したのでやっていません。言ってくれればどんな人でも紹介できます」(少女S)

トー横では年齢を明かさずに売春をしている者も多いが、犯罪をしている自覚はなく、お互いにとってメリットのある提案かつ、誰も損をすることがないと悪びれもせず話した。

日が落ちてしばらくすると、17歳の少女Kが現れた。トー横界隈では有名人らしく、多くの人に声を掛けられていた。前述の少年Aとは仲が良く、ひそひそと話を始めた。これから髪を染めるのだという。

歌舞伎町タワーのトイレで髪を洗って、それで青色にします。よくわからない人から、青色のヘアカラー貰ったし、これでこれから遊びます」(少女K)

歌舞伎町タワーから戻り、路上で染髪を始めた。髪を染めている最中、これを見世物にまた別の少年が「Give me money」と書かれたホワイトボードを持ち、観光客に声をかけていた。

トー横を中心に動画撮影をするゆきにゃん氏は「ここにしか居場所がない子も多いので摘発されても戻ってくる」と現状を語った。

「私は週に2回ほど歌舞伎町にいますが、キッズたちの流動性はすさまじく、気付かないうちに消えて、新しい子が入ってきます。警察や警備の人も監視をしていますが、ここまで多いと顔は覚えられないでしょう。歌舞伎町は面白く、刺激の強い街ですが、子供が犯罪に加担しているといったこともよく聞きます。悪意のある大人もいることを知ってほしいですね」(ゆきにゃん氏)

トー横を観光地のように考え、見学をする者も多くいるが、そういった人も犯罪に巻き込まれないように注意が必要だ。