歴史学者、渡辺大門氏、明智光秀が信長の非道を阻止すべく、本能寺で討ったという説に「成り立たない」と解説

　株式会社歴史と文化の研究所代表取締役、渡辺大門氏が自身のYouTubeチャンネルを更新。「明智光秀が織田信長の非道を阻止すべく、本能寺で討とうとしたという説は成り立ちません。」と題した動画で、本能寺の変に関する複数の説について論じた。

　冒頭で渡辺氏は、「信長の非道を阻止しようとして光秀が立ち上がった」とされる説について、「いろいろな黒幕説があるが、成り立たない」と断言。その中で代表的な五つの説を取り上げ、それぞれについて解説した。

　最初に触れられたのは、朝廷黒幕説。渡辺氏は、「信長が朝廷を圧迫した明確な証拠がなく、むしろ信長は天皇に奉仕していた」と述べ、朝廷黒幕説を否定した。次に、足利義昭が光秀とつるんでいたという説についても、「史料の誤読や論理の飛躍があり、証拠はない」と説明。

　動画の終盤では、光秀が義憤から信長を討ったのではなく、「光秀は信長から可愛がられる存在だった。非道を阻止するためではなく、彼自身の利益追求が動機だった可能性が高い」と新たな視点を示し、「本能寺の変に関するさらなる考察は、今後の動画でも取り上げていく」と締めくくった。