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56歳・磯山晶氏がフリーに

 今年1月期に脚本家の宮藤官九郎氏とタッグを組んで連続ドラマ「不適切にもほどがある!」を送り出したTBSの磯山晶プロデューサー(56)が同局を退社し、今後はフリーのプロデューサーとしてネット配信サービス「Netflix」などの作品を手掛けていくという。

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 これまでもクドカンと組んで「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」などのヒットを飛ばしてきた磯山氏だが、56歳で大企業を去る決断ができたのは、やはり先立つものがあったことも大きいようだ。

 TBSといえば、2018年に50歳で退社したフリーアナの安東弘樹氏(56)が約4000万円の退職金を受け取ったと報じられたが、その後、安藤アナは「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)で、「実質的にはその半額ぐらい」と明かしている。

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 フジテレビが2022年に満50歳以上・勤続10年以上の社員の早期退職者募集を発表し、退職金の 金額が50歳で1億円ともいわれて話題になった際、安東アナは「私は50歳を過ぎて退職したんですけど、あの報道が本当だとしたらフジテレビさん凄いなって思います。(自分がもらった退職金はその)半分もいってないです」とも語っている。

「安東アナの『フジの半分もいっていない』という発言から推察すると、彼が実際に受け取った退職金は3000万円ほどだと考えられます。TBSは組織変更もあって、同じ正社員でも入社年次によって給与体系が異なるのですが、今の50代半ば以上の世代は恵まれています。TBSには早期退職制度があり、一定の勤続年数を超えると退職金が上乗せされます。安東さんの場合、通常の退職金が2000万円くらいで、そこに上積みがあったのでしょう」(TBS関係者)

 では、56歳で退社する磯山氏は、退職金をいくらもらえるのか。早期退職制度を利用してTBSを退社した元社員が明かす。

「4000万円くらいだと思います。勤続30年以上の長期勤続者に有利になる退職金カーブに加え、早期退職だと“セカンドキャリア支援金”みたいな名目の加算があります。ただ、私の場合もそうでしたが、いくら退職金で4000万円を貰えても、年収1500万円を捨てるのは結構勇気が必要です。また、TBSは希望すれば定年後も再雇用してもらえます。年収は3分の1程度にダウンしますが、冷静に考えるとそれでも決して低賃金ではありませんからね」

制作会社スタッフは羨望の眼差し

 現役のフジテレビ社員もこう明かす。

「『早期退職、50歳で1億円』の報道が出た時に、辞めたのは、名物プロデューサーなど一部の“できる社員”ばかりです。関連会社や系列局など、出向先はいくらでもあるため、辞めた後の見通しが立たない社員は、会社に残りました。早期退職の対象になったある社員は『1億円をもらって辞めても、同じ待遇で雇ってくれる会社はゼロ』と言っていました。辞めた後や定年後のことを考えると、多くの社員は辞められないのが実情です」

 厚生労働省の就労条件総合調査(令和5年版)によると、民間企業で定年まで一つの会社で働いた際(勤続20年以上かつ45歳以上の退職者)、大学・大学院卒の退職金の平均 は1896万円。早期退職などの優遇制度を利用しても2266万円だという。

 フジテレビの1億円など、上を見ればキリがないが“退職金ゼロ”の企業も増えている。平均以上の退職金を貰えるテレビ局の社員は、やはり恵まれていると言えるだろう。制作会社のスタッフなどからは羨望の眼差しで見られている。

デイリー新潮編集部