ネイルがきれいだと気分が上がるのだとか。いちいち副作用にビビっているわたしとは違い、あっさり状況を受け入れ、カラっと明るいがん友に少し元気をもらいました。

 そんなタフながん友をすごいなぁと思いつつも、怖がりのわたしは恐れていたしびれの副作用だけでなく、「むくみ」まで怖くなってしまい、残りの抗がん剤がまた恐怖になってしまうという悪循環に。まったく怖がりの性格って厄介だなと思いながらも、メンタルは低空飛行のまま。

 さらに、当時のわたしは引っ越しから始まった夫婦間のトラブルに加え、もうひとつ悩み事が増えてしまっていました。それは息子の進路。息子は当時小学校4年生。3年生の冬にがんが見つかり、それから治療に必死で気にも留めていなかったのですが、のびのびと育てていた小学生の息子が、実は勉強につまずいていることに気づいてしまったのです。

 ここからまた、抗がん剤を打ちながら悩みと不安の渦に巻き込まれていきます。
<文/塩辛いか乃 監修/沢岻美奈子(沢岻美奈子女性医療クリニック院長)>

【監修者:沢岻美奈子】
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。神戸にある沢岻美奈子女性医療クリニックの院長。子宮がん検診や乳がん検診、骨粗鬆症検診まで女性特有の病気の早期発見のための検診を数多く行なっている。更年期を中心にホルモンや漢方治療も行い女性のヘルスリテラシー向上のために実際の診察室の中での患者さんとのやりとりや女性医療の正しい内容をインスタグラムで毎週配信している

【塩辛いか乃】
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako