ガザ病院で凍結保存中の胚数千個が死滅、イスラエルの攻撃で

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Imad Creidi

[17日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザで不妊治療を手がける最大の病院アル・バスマIVF(体外受精)センターで昨年12月、凍結保存されていた胚など数千個がイスラエルの攻撃により死滅したことが病院関係者などの話で明らかになった。

関係者によると、イスラエル軍が放った爆弾が病院の一部を破壊。これにより、胚を超低温で凍結保存するために使う液体窒素を保管していたタンク5個の蓋が壊れ、液体窒素は蒸発してタンク内の温度は上昇した。この結果、凍結保存されていた胚4000個に加え、検査用の精子と未受精卵子1000組余りが死滅した。

1997年にこの病院を開業した産婦人科医は「これら5000もの命もしくは潜在的な命が親にとって何を意味するのか、深く理解している。カップルの少なくとも半分は、もはや精子や卵子を作れないため、二度と妊娠する機会はないだろう。私の心は粉々に打ち砕かれた」と述べた。

イスラエル軍の広報はロイターの取材に対し、この報道について調査すると話した。イスラエルは民間のインフラを意図的に標的にすることはないと表明しており、イスラム組織ハマスが医療施設を軍事行動の拠点にしていると非難。ハマスはこうしたイスラエルの主張を否定している。