マッコウクジラの尾びれ(2012年8月23日撮影、資料写真)。(c)VALERY HACHE / AFP

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【AFP=時事】ニュージーランドの先住民マオリ(Maori)の王は28日、クジラに人間と同じ権利を認めるよう切々と訴えた。マオリが神聖視し、絶滅が危惧されている種もあるクジラの保全が狙い。

 マオリの王、キインギ・トゥヘイティア・ポタタウ・テ・フェロフェロ7世(Kiingi Tuheitia Potatau te Wherowhero VII)は、太平洋の島国クック諸島のアリキ(酋長)と共同で声明を発表した。マオリの王が公式声明を出すのは異例。

 トゥヘイティア王は、クジラの個体数を回復させるため、適切な環境で暮らす権利など、人間が生まれながらに持っている権利を与えるべきだとして、「祖先の歌の響きが弱まり、クジラのすみかはおびやかされているので、今すぐ行動を起こさなければならない」と訴えた。

 また、クジラに人間と同じ権利を与えることは「われわれの宝や、祖先、そしてクジラを守るマント」になるだろうとも述べた。

 トゥヘイティア王らは、先住民の知恵と科学を組み合わせて「より総体的なアプローチ」によってクジラを保全することを提唱。海洋保護区の設定が重要な一歩になると主張している。

 ニュージーランドには、マオリにとって重要な河川や山などの自然に法的人格を認める法律を制定した前例がある。

【翻訳編集】AFPBB News

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