90歳・現役料理家の「人間関係がスムーズになる」コツ。義娘の手伝いで人生が一変
70歳のときに、義娘で料理研究家の小林まさみさんのアシスタントになった小林まさるさん。その後も自身のレシピ本出版やYouTubeチャンネルをスタートするなど、90歳を迎えた今もさまざまなことに挑戦しています。そんな小林まさるさんが考える、家族との向き合い方についてお聞きしました。
たとえ家族でも、相手の心に踏み込みすぎない
息子の妻である料理研究家の小林まさみさんのアシスタントをしながら、自身でも料理研究家として活躍する小林まさるさん(90歳)。そして、2年前から始めたYouTubeの撮影を担当しているのは、一緒に暮らす息子ののりさんです。
ひとつ屋根の下で暮らしながら、仕事も一緒。仲よくやっていくための秘訣を聞いてみると…。
「家族であっても友達であっても、人間関係で大切なのは、人の心に土足で入らないってことじゃないかな。長い時間一緒にいれば、もちろん互いに腹が立つことはあるけれど、自分なりにこういうことは言わないと決めていることはあるよ」
相手の兄弟親戚の悪口に同調しない
「たとえばまさみちゃんが人間関係のことで相談してきたとき、話は聞くようにするけど『そんなつき合いはやめちゃえ』とか、そういうことは言わないようにしてる。だれとつき合うかどうかは、本人が決めることだから。それから、まさみちゃんの兄弟や親戚の悪口は絶対に言わない。家族同士はときには腹が立って悪口をいうことだってあるけれど、同じことを他人から言われたら、イヤな気持ちになるものだからね」
ケンカをしても自分から折れる
仲のいい家族とはいえ、料理のことではぶつかり、ケンカになることもあるのだとか。
「味のことは思ったことをとことん言う。俺の料理は自己流だから一般的な手順を踏まないこともあって、まさみちゃんに『こうするんじゃない?』と指摘されると、カッとなることも。お互い思ったことは言うけど、最終的にどうするかは、本人の判断。そこをしつこく追求したりすると、イヤになっちゃうんじゃないかな」
ケンカは長引かせないことも大切だと言います。
「相手が折れなければ、自分から折れる。家族のケンカのきっかけはたいていは些細なことだから、ほとぼりが冷めたら、『飯できたよ』とか、ちょっと話しかけるだけでも、ほぐれるきっかけになる。ずっとだんまりを決めて口をきかないなんてなると、長引いて修復も難しくなるから」