新しい季節がくると、ついつい欲しくなるのが新しい服。ただし、買うのは簡単でも、手放すのは難しいもの。なんとなく買っているうちに、クローゼットがパンパンになり、なにをどれだけ持っているかわからなくなり、結局タンスのこやしに…なんてことになるのは悲しいですよね。

ここでは、『66歳、まずやってみる。人生を愉しむシンプル暮らし』(扶桑社刊)より、66歳のシンプル暮らしの達人・pocohahaさんが、“服を1年間買わない”チャレンジをした結果、わかったことを抜粋してご紹介します。  

“服を1年間買わない”を達成してわかったこと

あるミニマリストの方が「今持っているもので暮らしてみよう」とおっしゃっていたことをきっかけに、“服を1年間買わないチャレンジ”をすることにしました。
始める前は「どうしても困ったら買おう」と思っていましたが、いざ始めてみると自分でも驚くほど、“どうしても困ること”がなかったのです。

冬に暖かい服が欲しくなっても手持ちの服を重ね着すればなんとかなるし、夏は洗濯してもすぐに乾くので枚数が少なくても大丈夫でした。

服が足りなくて困るどころか、自分がよく着る服と着ない服がはっきりわかるようになり、逆に着ない服をたくさん処分したくらいです。チャレンジを始める前より、服の総数が3分の2近くに減りました。

よれや色褪せなどなんらかのダメージを受けている服は、自治体の資源回収に出して処分。状態がよくても着用時にどこか違和感やストレスがある服は、リサイクルショップへ持ち込んで売却。
「フリマアプリを使って個人間で売買すると高値がつきやすい」という噂を耳にしましたが、せっかちな私は短期間で一気に片づく方法を選びました。

人の目を気にせず自分なりのおしゃれを楽しめるように

このチャレンジから私が学んだことは、毎日着たくなるような服は意外と少ないということです。
着用回数が多くなりそうな服かどうか、購入時にじっくり吟味するようになり、以前よりも失敗や無駄遣いが減ったと思います。

若い頃はまわりの目を気にして毎日違う服を着たり、流行のアイテムやブランド品を集めたり、自分のために服を選んでいるのか、それともまわりに流されているだけなのか、服に求めていることがだいぶ曖昧でした。
その後、人生経験を重ねて「自分が思っているほど他人は私の服装に興味がない」という結論に至り、60代の今は他人の目を気にするより、自分なりのおしゃれを楽しめたらいいなと思っています。私自身、ご近所の方が昨日着ていた服を思い出せと言われても、よっぽど普段と違う雰囲気でなければ覚えていませんから。

夏は4〜5パターン、ほかの季節は3〜4パターンで充分

“服を1年間買わないチャレンジ”は、自分にとっての必要最小限を知るためのいい機会になると思います。
私の場合、汗をかいて着替えることもある夏は4〜5パターン、ほかの季節は3〜4パターンあれば充分だとわかり、「この枚数でも問題なくやっていける」という自信に繋がりました。

とはいえ、私はミニマリストを目指しているわけではないため、最小限にこだわらず、これからも気分や状況に応じて自由に服を増やしたり減らしたりしていくつもりです。

 

pocohahaさんの暮らしをつづった書籍『66歳、まずやってみる。人生を愉しむシンプル暮らし』(ponpoco著・扶桑社刊)では、pocohahaさんが50〜60代で行った工夫を紹介。インテリア、料理、家事、ファッション、美容、実家の片づけ、人間関係など、生活全般について掲載しています。