ラオス・ビエンチャンの民家から救出されたツキノワグマの赤ちゃん。フリー・ザ・ベアーズ提供(2024年3月20日撮影)。(c)AFP PHOTO / FREE THE BEARS

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【AFP=時事】ラオスの首都ビエンチャンでこのほど、民家で飼われていたツキノワグマの赤ちゃん16頭が保護された。

 NGO「フリー・ザ・ベアーズ(Free the Bears)」によると、16頭が発見されたのは先週初め。1頭は既に死んでいた。

 保護されたのは雄10頭、雌6頭で、体重1.3〜4キロ。生後2〜4か月とみられる。

 フリー・ザ・ベアーズは、「クマの赤ちゃんは非常に弱い。自然環境では母グマが赤ちゃんを置き去りすることは絶対にない。おそらく、母グマは密猟者に殺されたのだろう」と話す。

 NGOトップのマット・ハント氏は、「2024年に入ってまだ3か月しか過ぎていないが年間の保護頭数では、今年は既に過去最多となっている」と述べた。

 フリー・ザ・ベアーズによると、近隣住民から、クマの赤ちゃんの泣き声がするとの通報が警察にあった。これまでにラオス人1人が拘束されており、警察は住宅所有者の特定を進めている。

 赤ちゃんたちは、ルアンプラバン(Luang Prabang)にある野生動物保護区に移送される。

 ツキノワグマは、国際自然保護連合(IUCN)がまとめる「レッドリスト(Red List)」で危急種(VU)とされている。

 アジア地域では、ペットまたは伝統薬に使う胆汁を取るため、数多くのクマが飼育されている。

翻訳編集】AFPBB News

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