脱獄の白人至上主義者を拘束 逃走中2件の殺人関与疑いも 米

【AFP＝時事】米アイダホ州で21日、前日朝に自傷行為とみられる傷の治療のため搬送された病院から逃走していた受刑者が拘束された。

　拘束されたのは、地元の白人至上主義団体アーリアン・ナイツ（Aryan Knights）に所属するスカイラー・ミード容疑者。2016年に警察官を襲撃した罪で服役していた。また、脱獄に協力したニコラス・ウンフェノール容疑者も逮捕された。

　病院から逃走する際に起きた銃撃戦で、刑務官3人が負傷。両容疑者はさらに逃走中に発生した2件の殺人事件への関与も疑われている。

　同州ボイシ（Boise）の警察によると、病院の外でミード容疑者を護送中、救急センター内からと思われる銃声が上がった。ミード容疑者と同じ刑務所で服役したことがあるウンフェノール容疑者が刑務官2人を撃ち、一緒に逃走したという。

　数分後、駆けつけた警官が、別の刑務官1人を逃走犯一味と誤認し、発砲。この刑務官も負傷した。

　2人の追跡はボイシから約180キロ離れた同州ツインフォールズ（Twin Falls）一帯にまで拡大され、21日午後、短時間のカーチェイスを経て2人は別々に身柄を確保された。

　2人が逃走中に犯したとされる2件の殺人については、警察は詳細を明らかにしていない。

　米司法省によると、アーリアン・ナイツは1990年代に結成。主に刑務所内で活動する白人至上主義団体で、100人以上のメンバーを擁する。麻薬密売、恐喝、ギャンブルなどを収入源とし、刑務所内で非白人受刑者を標的にした暴力を振るうなどしている。

【翻訳編集】AFPBB News