不採用通知(お祈りメール)をきっかけに「その企業を嫌いになった」就活生は8割強 ※画像はイメージです(sin_ok/stock.adobe.com)

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志望度の高い企業から不採用通知、いわゆる”お祈りメール”について就活生のみなさんはどのように感じているのでしょうか。ダイレクトリクルーティングサービス『ABABA』を展開する株式会社ABABA(大阪府吹田市)が実施した調査によると、不採用通知(お祈りメール)をきっかけに「その企業を嫌いになった」と回答した就活生は8割強に上ることが分かりました。また、6割強が不採用になった企業の製品やサービスを「今後使わない・周りにおすすめしない」と回答したそうです。

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調査は、同サービスに登録している2024年卒業予定の就活生300人を対象として、2024年1月〜2月の期間にインターネットで実施されました。

その結果、全体の89.3%が志望度の高い会社を受けて「不採用になった経験がある」と回答。新卒市場は売り手市場が続いていると言われているものの、全て希望通りに就職活動を進められている学生は少なく、ほとんどの学生が就職活動において不採用の壁にぶつかる経験をしていることが分かりました。

なお、「不採用通知の連絡手段」については、時間を気にせずに連絡ができ、双方に履歴が残る「メール連絡」(96.6%)が主流となっています。そこで、「メールでの不採用通知(お祈りメール)に対してどのように感じましたか」と聞いたところ、83.0%の就活生が「形式的で冷たい印象を受けた」と回答しており、「形式的なメールだけで、なぜ落とされたのか理由が分からなかった」「メールに名前の記載がなく、一斉配信されたものだと思うと悲しかった」といった意見が寄せられています。

その一方で、「人事が個別に応援メッセージをくれて励ましてくれた」「メールの中に、いつか一緒に働きたいという一文を見つけて感動した」などの意見も見られたことから、同じメール連絡であったとしても、企業側の誠意が感じられるメッセージであるかどうかが、その後の好感度を左右する重要なポイントになることがうかがえました。

また、志望度の高い企業から不採用通知を受け取った後、「その企業を嫌いになった」と答えた就活生は85.0%を占めており、「落ちたことがショックすぎて、嫌いになるしかない」といったコメントが目立ちました。

さらに、不採用通知をきっかけに「その企業を嫌いになった」と回答した就活生のうち、43.0%が「その企業の製品やサービスを今後使わない」と回答。さらに、23.0%が「その企業の製品やサービスを周りにおすすめしない」と回答しており、企業に対するネガティブな感情が66.0%を占める結果となりました。

回答者からは「引き続き使い続けるが、正直その社名を見るだけでも辛い」といった意見が寄せられ、志望度の高い企業を不採用になるダメージは非常に大きく、その反動で不買やアンチに近い感情が生まれていることがうかがえました。

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調査を実施した同社は、「形式的なテンプレートを使った不採用通知の連絡は企業イメージに悪影響を及ぼす可能性があり、その印象は長期に渡りマイナスに作用する可能性がある」と説明。

そのうえで「新卒採用の過程で出会う学生たちは、今後も商品やサービスを購買する顧客でもあり、将来ビジネス相手になる可能性も高い人物です。選考時の印象が悪ければ、その企業に対するイメージ低下は避けられません。企業選択時の好感度を維持するためにも、不採用通知のメッセージ内容には十分に配慮する必要があるでしょう」と述べています。