「彼女たちは気がつかずに、嫌われる“港区女子”になってしまった」港区女子に殺到する批判を育ててしまった3つの個性とは〈日本一高いレンタル彼女が考察〉

南麻布の高級すし店とのトラブルが原因で、SNSで批判の目に晒されることになった「港区女子」。しかし“日本一高いレンタル彼女”こと、よもぎちゃんは、「彼女たちは一部のTaker港区女子」だと分析する。彼女たちの特徴と嫌われてしまう理由とは。

港区女子が嫌われる3つの理由

港区女子と高級すし店の間で勃発したバトルが、少し前にSNS上で話題になった。

今回の一件で印象的だったのは「殴られそうになった」と発信した港区女子のポストに対し、終始、否定的な意見がほとんどだったことだ。確かに双方の話を聞かないと事実はわからないものの、ここまで袋叩きになるのも珍しいな、と一連の流れを見守りながら思った。

「日本一高いレンタル彼女」として活動する、よもぎちゃん

これはおそらく世間全体に、港区女子が「話を盛る」「承認欲求が強い」「自己中心的である」という、批判的な共通認識があるからではないだろうか。

これがもしアーティストや起業家、一般人だったとしても最初から袋叩きになっていただろうか。完全擁護まではいかないにしても「どうせこの女は嘘をついているに決まっている」だけではなく、「この2人の間に何があったんだ?」「すし店の大将が客に怒るのはおかしい」という中立派がもう少し多かったはずだ。

ではなぜ、港区女子はこんなにも嫌われるのか。ネットにある意見を3種類に分類してみた。

① 納税をせずに男性にすべて貢いでもらっている

男性から買ってもらったハイブランドに身を包み、男性のお金で高級すしを食べに行く。自分の力では何もできないのに偉そうな人間だと認識され、「男にたかっているくせに」と反感を買ってしまうのが、まず一番大きな理由だろう。実情がどうであれ、夜職の女性やギャラ飲み女子、パパ活女子は「どうせ納税していないんだろ」と強く思われている。

ハイブランドのイメージ 写真/shutterstock.

レンタル彼女をやっている私としては「この子に大金を使おう」と価値を感じてもらう大変さ、それに伴う男性からの下心やマンスプ(マンスプレイング)の受け流しが容易でないことを知っているので、港区女子はある種の高い営業スキルを持っていると思う。

日本にはコミュニケーションを軽視し、自分は普通に会話ができるとたかを括っている人が多い気がする。そのため、コミュニケーションのみで相手から金銭をもらうことに否定的だ。

「ただ一緒に飲むだけで」「ただデートするだけで」は本来、全然「ただ」じゃあない。相手に好かれ、相手にとって居心地のいい空間を作り、気持ちよく帰ってもらう。これが非常に疲れる行為であることは、一般企業に勤める人なら接待や社内の飲み会で、ある程度は経験したことがあるだろう。それなのに、それが“男と女”になった瞬間に、世論は否定的になる。

一部の男性は“お金のかかりそうな女性”を好むという事実

② 社会的に評価される地位でないのにプライドが高い

SNSで悪目立ちするタイプの港区女子は承認欲求が強く、プライドも高い。「自分はこんなにすごいものを持っている」「自分はこんなにすごいところへ行ける」「自分はこんなにいい女である」そういった発信を怠らない。それがシンプルに鼻につくのではないか。

実際に港区に生まれ、裕福な家庭に育った才色兼備な女性ならまだしも、出自のわからない港区女子(そもそも港区女子という言葉は、港区に住んでいる女性を意味しない)に対しては、「何者でもないあなたが、なぜそんなにいい女ぶって偉そうにしているの?」と感じてしまうのではないか。そして、やはり「自分の力で得たものじゃないのに」「媚びているだけなのに偉そうにするな」「ヤりたいから優しくされているだけだ」と大きな反感を買ってしまう。

よもぎちゃんが高級すし屋で食べた変わり種のおはぎ寿司

とはいえ、彼女たちが多くのものを得ているのは揺るぎない事実。そして彼女たちのSNSでの発信はお金のない男性を寄せ付けない魔除けであり、“お金のかかりそうな女性”を好む、いい顧客となりうる男性へ向けた売り込みである。そもそも、それを批判する人たちに向けた発信ではない。

母数は多くないものの「お金のかかる女性と遊べる自分」というマウントを取りたい男性も確かに存在する。「トロフィーワイフ」という言葉があるように、港区女子は一種のトロフィーなのだと思う。お金をかけず遊ぶことを美徳にする人もいれば、遊ぶことにお金をかけられることにプライドを感じる人もいる。後者は財力マウントになるのだろう。

③ 売春をしているイメージ

いわゆる「港区女子」の多くは売春をしている、というイメージが強くついてしまっている。「お金のためにおじさんとヤってるくせに」この思考がどうしてもついて回ってしまう。件の女性に対しても「おっさんのをしゃぶっている口で高級寿司の味がわかる訳がない」とある男性が非難していて、「おじさんのモノは味覚異常を起こすような恐ろしく汚い物体だと思われているんだな…」とあまりの差別表現に少し笑ってしまった。

高級すし屋のイメージ 写真/shutterstock.

売春に関しては私も実情を完全に把握しているわけではないが、SNSや周りの話を聞いているとどうも事実っぽいぞ…とは思うが。真偽の程は不明だ。

気がついたら、港区女子になっていた

要するに港区女子は「真面目に働いている自分たちと違って、ラクして媚びて大金をたかっているやつら」という認識をされている。そしてそれは誰にでも「この人は強く非難してもいい相手」という大義名分になってしまっている。

恐らくこれは妬み嫉みとはまた異なった感情ではないかと思う。

結局のところ、港区を「誇れる生き方ではない」と思っている人がほとんどだから生まれる感情であり、それへの批判はある種の「正義感」によるものが近いのかもしれない。

港区のモニュメント、東京タワー 写真/shutterstock.

港区女子の中にはカリスマ的人気を持つラウンジ嬢やキャバ嬢なども一部いるものの、ほんの一握りだ。彼女たちは仕事にストイックで、関わる人すべてに感謝や礼儀を忘れない、圧倒的Giverだ。だから多くの人間に好かれ、尊敬もされる。同性のファンも多い。そのマインドやメイク、持ち物などが羨望の対象となっており、それらを参考にする女性も増えてきている。

対して今回のような港区女子は、品も礼儀が感じられず、そのくせプライドだけは人一倍ある圧倒的なTakerである。そんな「Taker港区女子」が多すぎることで港区女子全体が嫌われているのではないか。

仕事に対する矜持を持ち、真剣に夜職をしている人からは「同類に思われたくない」と煙たがれ、一般人からは「品がない」「たかっている」「媚びている」と思われるTaker港区女子。周りに敵は多い。

今、ギャラ飲みアプリでは1対1でのサシ飲みも人気であり、レンタル彼女とギャラ飲み女子が比べられる機会が増えた。そこで、いちレンタル彼女として私もギャラ飲みアプリに飛び込んでみた。

女性のスタンスはさまざまでちょっとした小遣い稼ぎでやっている子もいれば、本業としてやっている子もいる。そこでは普通では考えられない額を簡単に稼ぐことができる。正直、レンタル彼女の比ではない。

たまに複数人での飲みに参加すると、そこで別の女の子と会うことが出来る。その中にわかりやすく高飛車になっている子が一部ではあるものの実際にいる。自分の価値を過信し、男性に過度なおねだりをしたり、周りを見下す発言をし出したり、「私を楽しませてみてよ」という態度をとっていた

けれど、ちやほやしてくれる男性、大金を自分に使ってくれる男性が実際にいるのだから、そうなってしまってもおかしくないと思った。今の彼女に需要があるのは確かなのだから。そのため「自分は絶対的である」と勘違いし、横柄な言動が根付いてしまい今回のような件に発展してしまったりするのではないか。

彼女たちは気がつかずに、嫌われる「港区女子」になってしまったのではないか。

写真・文/よもぎちゃん