宝塚大劇場

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 昨年9月のAさん(享年25)の自殺に端を発した宝塚の崩壊劇は、年の瀬になっても閉幕に至らなかった。そんな中持ち上がった、阪急阪神ホールディングスの総帥・角和夫会長(74)による劇団の新たな私物化疑惑。背景には、ある“野望”も透けて見えるのだ。

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【写真を見る】「宝塚を私物化している」といわれる角和夫会長

 宝塚では年末、退団発表が相次いだ。とりわけ最大のニュースは先月27日に発表された、雪組トップスター・彩風咲奈(あやかぜさきな・33)の退団である。

「雪組の生徒は昨年11月、当時の理事長ら幹部に直談判し、上級生によるパワハラ的指導の改善などを求めています。その際に、生徒たちの前面に立ち、幹部らとの交渉に当たったのが、雪組トップの彩風でした」(芸能デスク)

退団者の中に注目すべき存在が

 彩風自身、過去に上級生からパワハラを受けた経験があるといい、

「12月の舞台ではその辛い記憶がフラッシュバックして、過呼吸でパニック状態に陥り、一時的な舞台の中止・中断を余儀なくされています」(同)

 彼女もまた、宝塚の宿痾(しゅくあ)に飲み込まれた被害者だというわけである。本人に代わり、愛媛県に暮らす父親が言葉少なに語る。

宝塚大劇場

「退団は夏の公演より前に決めていたことですので、今回の事件があって退団を決めたわけではありません。ただ、(娘が)音楽学校時代、辛い思いを経験したのは事実です」

 この彩風の退団会見に2日先立つ25日には、花組から4名が退団することが発表された。すでに発表されている退団者を合わせると、花組だけで実に計6名の退団者が出ることになったのである。

 そんな退団者の中に、注目すべきタカラジェンヌが含まれていると打ち明けるのは、さる劇団関係者だ。

「花組の帆純(ほずみ)まひろさん(27)のことです。劇団内部では彼女は角会長の差配によって、新人公演などの舞台で良い役を射止められてきたのだろうといわれていたのです」

“宝塚の私物化”

 彼女の祖父は、レンゴー株式会社の大坪清代表取締役会長(84)であり、角会長と同じ、関西経済連合会の副会長ポストにあるが、

「関経連内では大坪会長の方が、角会長よりも立場が上です。関経連の会長の座に就くことが悲願の角会長は、自身の栄達のために大坪会長に取り入る必要があった。だからこそ帆純さんを劇団内で優遇して、大坪会長の覚えをめでたくしようとしたのではないかと専らのうわさでした」(同)

 劇団の人事を利用し、外部団体における自身の地位を高めようとしてきたならば、宝塚の私物化と糾弾されても仕方あるまい。

狙いは関経連トップか

 まず、大坪会長に直接話を聞いたところ、

「一切事実無根です」

 この点、阪急阪神ホールディングス株式会社も、

〈関西経済連合会の人事について角に確認しましたが、そうした意向は一切持っていないと申しております。また、宝塚歌劇団では、各生徒の技量等を評価したうえで配役を決定しております〉

 と書面で回答した。しかし、ある関経連の幹部は、

「たしかに、現職の関経連の会長は、大坪さんの後押しがあって決まったと言っていいでしょう」

 つまり角氏が関経連トップを狙うなら、孫娘の引退後もなお、祖父の支援が必要になるというのだ。

 李下に冠を正さずという言葉もある。新年を機に、角会長は自身の立ち居振る舞いを今一度、見直すべきではないか。

「週刊新潮」2024年1月18日号 掲載