1966年、静岡県旧清水市(現静岡市清水区)で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」で死刑が確定している袴田巖さん(87)の再審=やり直し裁判の7回目公判が1月17日、静岡地方裁判所で行われ、弁護側は、袴田さんの取り調べの様子を録音したテープの音声を法廷で流しました。

弁護団は「袴田さんは犯人にされた」として、逮捕前と逮捕後、自供までの取り調べなどの録音テープの音声を法廷で再生しました。

平均10時間を超える取り調べが数日に渡って続いたことや、体調を崩して医師による診察を受けた後も取り調べを続けたこと、複数の取調官によって46分間も袴田さんを犯人と決めつけ謝罪を求め続けたことなど、人権を無視した取り調べが続いたと主張しました。

県警が「自供がなければ真相把握は難しかった」と捜査の報告をしていたことも、証拠の記録から主張しました。

また、弁護団は、県警が保管していた遺体を写した約40枚の写真を傍聴席からは見えないように示し、4つのポイントを挙げました。

・犯行の動機は怨恨である

・縄で縛られ抵抗できない

・犯人は複数犯でないとありえない

・被害者は起きていた

刺し傷以外にも、歯が折れた跡や指に切断の跡があることなどから、袴田さん1人の犯行はあり得ないとしました。また、4人のうち3人が時計をつけていたことからも被害者が起きていたとしています。

1月の公判は、16日と17日の2日連続で行われ、弁護側が終日主張を展開しています。17日午後には、袴田さんの犯行着衣と検察が指摘した「5点の衣類」に残る血痕の色味について、弁護側は重要証拠がねつ造されたものであると改めて主張する予定です。