「私にとって、“ケチ”とはお金を節約するのはもちろんですが、毎日を楽しくするためのものだと思っています」と話す、タレントの松本明子さん。松本さんが普段から実践している、約100個の節約術をまとめた著書『この道40年あるもので工夫する松本流ケチ道生活』(アスコム刊)より、子どもの頃から金銭感覚を身につけるコツについて抜粋して紹介します。

“ケチ”は一日にしてならず

子どもの頃から金銭感覚はしっかりしていたほうなのですが、それは家庭環境が関係している気がします。子どもの頃は節約家の母を見て育ったため、お金はむやみやたらに使うものではないという考えがどこかにありました。
お小遣いも決めた額をもらっていたわけでもなく、なにかが欲しいときはその旨を伝えてもらうという形をとっていて。必要な分のお金をもらったら自ら領収書を書き、捺印して親に渡していました。

子どもの頃から、家庭内で領収書のやり取りをしていたなんて人に話すと驚かれますが、私にとっては自然なこと。そしてこのやり取りをすることで、欲しいものができたとき「本当にそれが必要なのか」を考えるようになったんだと思います。

 

上京してアイドルの仕事を始めてからも金銭感覚が崩れることはなかったです。
1日1000円しか使えない毎日を送っているときも、なんやかんやで月5000円の貯金をしていましたから(笑)。
そしてやっとお仕事をいただけるようになっても、私に染みついた“ケチ”感覚はブレることなく(笑)、むやみやたらに使うことはなかったです。
これはひとえに両親の教えのおかげだと思います。

子どものお小遣いは定額ではなく「申請制」がおすすめ

そうやって育ってきた私が、息子が生まれてから悩んだのはお小遣いです。私自身、定額のお小遣いをもらわずやってきたので、息子も私と同じ申請制をとることにしました。

定額のお小遣い制だと、あるだけ使い切ってしまう習慣がついてしまうのではないか。それが浪費につながっていくのではないかという心配もあったんです。

それに申請制のほうが、“今、なにを欲しがっているか”がわかるし、コミュニケーションもとれる気がしたので。これは大正解だったと思っています。
はたから見ていると、息子は私に似て節約家。今はひとり暮らしをしていますが、服も無頓着だし、バイトの賄いを食べ楽しそうに暮らしています。
きっとこれも、私や家族のお金の使い方を見てきたからかなと思っています。

 

改めて“ケチ”は一日にしてならずだなと。私も周囲の人に影響されながら、少しずつ“ケチ活”マインドを培ってきたように、息子にもそれが伝わっていますから。
これからもいろんな人と出会って、私も“ケチ活”ライフを楽しみたいです。

 

松本明子さんの著書『この道40年あるもので工夫する松本流ケチ道生活』(アスコム刊)では、ほかにもさまざまな“ケチ活”テクニックを紹介しています。