初心者のための「NISA口座」の始め方。3ステップでわかりやすく解説
1月からスタートした「新NISA」。興味はあるものの、どう始めていいか分からないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんと主婦投資家・りりなさんに新NISAの始め方について教えてもらいました。
初心者でもわかりやすい「新NISA」の始め方
新NISAのスタートは、これまで投資をしたことがない人が一歩を踏み出す絶好のチャンス!
●ステップ1:口座を開設
NISA口座は証券会社や銀行のほか信託銀行、ゆうちょ銀行、信用金庫などでも開設できます。ただし同時期に保有できるのは1人1口座まで。金融機関は1年単位で変更可能。どの金融機関でも口座の開設、管理、解約に手数料はかかりません。
「取扱商品数や最低積立金額は各金融機関によって異なるので、ホームページなどで確認を! 」
<すでにNISA口座をもっている人は?>
現行のNISA(一般・つみたて)を利用している人は、新NISA口座が自動的に設定されます。ただし非課税期間終了後、新NISAに商品を移すことはできないので、売却か課税口座へ移すことを検討して。
<ポイントがゲットできるネット証券がおすすめ>
投資信託の購入代金を、指定されたクレジットカードで払うとポイントが貯まるネット証券なら、投資しながらポイ活ができます。
「私は楽天経済圏なので楽天証券を選択しました」(りりなさん)
●ファイナンシャルプランナー塚越さんのアドバイス
→対象商品もよく見て!少なすぎないのがベター
つみたて投資枠で利用できる商品※は、金融庁指定の長期投資に適したもの。取扱商品数が3〜4本など極端に少ない金融機関は、選択の幅が狭くなるので避けた方が無難かも。
つみたてNISAも同様
りりなさんが実践!楽天口座の開き方
ここでは、楽天証券を例に、新NISA口座の開き方を実践解説します。
●口座の申し込み
画面は開発中のため変更の可能性があります
画面は開発中のため変更の可能性があります
新NISAの始め方 STEP2「銘柄を選ぶ」
口座を開設した金融機関で扱っている投資商品(積立投資の場合は投資信託)のなかから銘柄を選びます。
「ここが悩みどころ。たとえば、アメリカ経済がこの先も伸びることを期待するなら米国企業の株だけで構成された銘柄、もう少しバランスをとるなら全世界の株式市場に投資している銘柄など、自分なりに考えてみるのが大切です」
●銘柄の選び方ポイント
銘柄選びに迷ったら、以下3つのポイントを意識してみましょう。
・ランキングをチェック
ほとんどの金融機関がランキングを提示しているので要チェック。
「ランキングだけではなく商品説明を見て、値動きやなにに投資しているのかなどわかる範囲で確認することも大事」
・分散を考える
1つの銘柄だけを集中して買うと、その銘柄の運用成績が悪化すると、損失をもろに受けることに。
「軸となる銘柄を決め、ほかの銘柄を組み合わせてリスクを分散させるのがおすすめ」
・信託報酬は安いものを
信託報酬は投資信託の運用・管理にかかる経費なので、投資信託を保有している間ずっとかかります。
「同じような内容の銘柄なら信託報酬は安い方を選択して。0.5パーセント未満が目安です」
<りりなさんの投資銘柄はこれ>
→まずはメインを決めて、予算内でトッピングを
米国株式市場に連動するインデックスファンドと先進国、新興国にも投資。
「新興国の運用実績は今のところイマイチですが、“光る原石”だと思って今後の伸びに期待しています」
●ファイナンシャルプランナー・塚越さんのアドバイス
→リスク=危険度ではない!まずはリスク許容度を考えよう
投資でいう「リスク」とは値動きのふれ幅のこと。ふれ幅が大きいと、大きく増える可能性がありますが、大きく減る危険性も。どれくらいのふれ 幅なら耐えられるかを確認してみて。
ネットで公開されている「リスク許容度診断テスト」を利用してみる方法も。自分のリスク許容度を知るひとつの参考に。
●こんな人にはこんな銘柄がおすすめ!
自分がどんな風にお金を増やしていきたいのか、タイプ別におすすめ銘柄を紹介します。
・リスクを取って増やしていきたい人
→米国の企業を対象とした投資信託
例:eMAXIS Slim米国株式(S&P500)、SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
・平均点をとりたい人
→全世界株式やバランス型の投資信託
例:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
・あまりリスクをとりたくない人
→債券の比率が株式よりも大きい投資信託
例:楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)
●50代から初めてNISAをする人は要チェック!
→退職のタイミングを意識して
働いている間は損失が出ても稼いで取り戻すことが可能ですが、定年後はそれが難しくなります。
「退職の時期が近づいたら、債券メインの銘柄など、値動きが小さいものに変更しても」(塚越さん)
新NISAの始め方 STEP3「投資商品を購入する」
買いたい銘柄が決まったら、ネット証券の場合、買いつけ画面で設定日と積立金額を入力。分配金は引き出さずに、元本に組み入れる「再投資型」を選択して、“複利”のメリットを。
<りりなさん実践!楽天での積み立て注文設定>
「購入した投資信託の内容、運用実績、リスクなどを解説した『目論見書(もくろみしょ)』のチェックを求められるので、わかる範囲で目を通すと投資への理解が深まりますよ」
投資には元本保証および利回り保証のいずれもなく、元本割れが生じるリスクがあります。記事の内容は2024年11月時点に作成されたもので、予告なく変更する場合があります。例に出した銘柄は識者が挙げたもので、エッセオンラインが勧めるものではありません