今、ホテルステイや旅行で、ひとり時間を満喫する方が増えています。YouTubeチャンネル「酒飲み独身ぴや子の宿泊記」にてひとり旅やホテルステイの様子を投稿する「ぴや子」さんは、旅中やホテルの客室で豪快に飲み食いしながら、心の内をつぶやく姿が多くの視聴者の共感を呼んで人気になっています。そんなぴや子さんにひとり旅のよさを教えてもらいました。

ひとり時間で自分をもっと好きになれた!

―― 最近は都内近郊のビジホステイにとどまらず、地方や海外に旅する機会も増えてきましたね。ひとり旅のコツはありますか?
ぴや子さん(以下、ぴや子):もう、ひたすら「慣れてください」とお伝えしたいです。先日、旅行サイトのマイページを見ていたら、何年も前のキャンセル履歴が出てきたんです。確か、自分の誕生日をお祝いしたいと思って予約したものの、「ひとりで行ってなにになるんだろう?」と思ってしまって、泊まる勇気がなくキャンセルしたものでした。
そんな私でも、今ではビジホにひとりで宿泊することに慣れ、ちょっとずつ遠くに行っていたら、韓国や台湾にまで行けてしまいました(笑)。階段を上って気づいたら、かなり上まで来ていた、という感じでしょうか。あの初々しさはどこへ、というくらい、日本国内ならもうどこでも行けるようになりました。

―― ひとりを楽しみたいけれど、まわりの目が気になる、自分自身が落ち着かないという方も多いようです。

ぴや子さん:ビジホでも私のようにひとりで過ごす女性を見かけますが、「あの人はなぜひとりなのだろう」なんて思いもしません。むしろ、「サラリーマンだけでなく、いろんな人がいろんな目的で泊まっているんだなぁ、ビジホっておもしろいな」と思っています。じつはだれも気にしていないんですよね、知らない人がひとりだろうがだれと一緒だろうが。
今の私は、地方に住む友人から「今日の夜会えない?」と言われたら行けちゃうほどフットワークが軽いんです。せっかくの楽しい時間を、実際にはない視線を気にしてムダにするなんてもったいない! ひとり旅をしてみたいけれど勇気が出ないという方は、私のように近場のビジホにお泊まりすることから始めてみるといいかもしれません。

―― ぴや子さんは現在30代前半の独身女性ですね。今後、結婚や出産などライフステージが変わっても、ひとり旅やひとりステイを続けますか?

ぴや子:いまのところは、ひとりの時間がなくなることが想像できないんですよね。でも、たとえそうなっても、ひとりの時間を大切にしてきたからこそ、そうでない時間も楽しめる気がしています。私のチャンネルの視聴者さんは40〜50代の女性が多いのですが、視聴者さんから「娘と紹介されていたホテルに行ってきました!」というようなコメントをもらうと、「それも楽しそうだな」って。ひとりの時間は、私自身の「楽しむ技術」を向上させてくれました。やりたいことがどんどん見つかって、それに飛び込んでいけるんです。以前、ひとり旅をキャンセルした頃の私より、確実に今の私のほうが好きだし、毎日楽しいです。

●ついに本を出版!またまた新たな自分を発見

―― 初めての著書が発売になりましたね。どんな本なのですか?
ぴや子:この私が本!? と、まだ信じられないんですが、本当に出ました(笑)。YouTubeの動画内容を掲載するだけではなく、私なりの旅行本にしたかったので、半分以上のページは新しい情報を加えて作成しています。おかげで、声をかけていただいてから制作に2年以上かかってしまい…。その甲斐あって、ひとりでももちろん楽しいし、だれかと行っても楽しいと思える旅のスタイルを提案できたんじゃないかなと思っています。

―― 力作の予感がしますね。しかも、挿絵までご自身で書かれているとか?
ぴや子:担当編集さんが、「ここ、なにか絵が欲しいな」とつぶやいたので思わず、「私、少しなら描けますよ」と言ってしまったがために、結構な量のイラストを描くはめに(笑)。

―― 旅人、YouTuber、そしてイラストレーターと、次々に新たな才能を開拓していますね。
ぴや子:本当に人生なにがあるかわからないですよね。コロナ禍のあの日、思いきって“予約”をクリックしてよかったなと改めて思います。

『日本全国オトナのごほうびビジホ旅』(ワニブックス刊)では、ぴや子さんの全国47都道府県ビジホガイドが紹介されています。