今年もESSEonlineをよろしくお願いいたします。ここでは、2023年の年間ランキング記事を振り返り、再掲載します。【2023年マネー部門1位】に輝いたのはこちらの記事でした。

パートナーに先立たれた場合にもらえる「遺族年金」。受給額について理解していますか? 勘違いしやすいポイントをファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんに教えてもらいました。

記事の初出は2023年5月。年齢など内容は執筆時の状況です。

「おひとりさま」になったらもらえるお金はどうなる?

将来、夫や妻が先に亡くなって「おひとりさま」になる可能性はだれにでもあります。夫が先に亡くなって妻が「おひとりさま」になったら、年金はどうなるのでしょうか。もらえる年金額について、ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんに教えてもらいました。

●「おひとりさま」は年金額がガクッと下がる

「夫が亡くなったら、遺族年金として『夫の年金の4分の3がもらえる』と思っている人は多いようです。でも、それは間違い。もらえるのは、『夫の厚生年金の4分の3』です」

たとえば、ESSE読者に多い、夫が会社員、妻は独身時代や出産前に数年間厚生年金に加入していた専業主婦の平均的なケース(東京都在住)で計算してみましょう。

「夫婦ふたりのときの年金額は、それぞれの厚生年金と国民年金で288万円程度。ところが、夫が亡くなると、夫の遺族年金+妻の国民年金で168万円まで激減します」

ちなみに、離婚した場合、年金分割でもらえるのは「夫の厚生年金のうち、結婚していた期間に形成した分の半分」だけ。死別の場合よりも、さらにダウンします。

●遺族年金モデルケース

・夫と2人のときの年金額:288万円/年

内訳:夫の年金198万円(厚生年金120万円+国民年金78万円)+妻の年金90万円(厚生年金12万円+国民年金78万円)

・夫の死亡後に妻が受け取る年金額:168万円/年

内訳:夫の厚生年金の3/4(120万円の3/4=90万円)+妻の国民年金78万円

→120万円もダウン!

このモデルケースは妻に短期間だけ厚生年金加入期間がある場合を想定しています。妻が国民年金のみだったり、厚生年金の加入期間が短い場合、遺族年金は夫の厚生年金の4分の3が目安ですが、妻の厚生年金加入期間が長い場合などは計算法が変わります。詳しくは年金事務所で確認を。