年末も差し迫り、2023年の秋ドラマも大詰め。注目作品のひとつだった『セクシー田中さん』(日本テレビ系・日曜22時半〜)も、ついに最終回を迎えました。過去の回はTVerやHuluにて配信中です。ここでは、最終話の見どころを振り返ります。

『セクシー田中さん』最終回10話の見どころ。悩む田中さんが選んだ道とは?

『セクシー田中さん』は芦原妃名子さんによる同名マンガが原作。

昼間は地味なアラフォーOLだけど、じつはセクシーなベリーダンサー・Saliというもうひとつの顔を持つ田中さん(木南晴夏さん)。

最初のころは友達も恋人もいなかった田中さんでしたが、少しずつ変化が。今では同じ会社で働く派遣OLの朱里(生見愛瑠さん)とはなんでも話し合えるほど仲よしに。昭和の価値観に縛られ、田中さんにも言いたい放題の失礼な男だった笙野(毎熊克哉さん)もすっかり変わり、お見合い相手から好印象を持たれるように…!?

それぞれが自分の道を見つけていく中、田中さんもある決意をします。

●壁にどう立ち向かう?

三好(安田顕さん)とのキス未遂のあと、混乱の渦に巻き込まれる田中さん。今まで、三好の隣で踊れるならなんでもがんばれる。そう思っていたのに、今はまったく自信が持てません。そんな中、「Sabalan」のクリスマスイベントが近づきます。

前を向かなければ、と思いつつも、自分らしくなれない田中さん。ベリーダンスも思うように踊れず、練習禁止令が出てしまうほど。

一方、笙野はお見合い相手のふみか(朝倉あきさん)を連れて母・悦子(市毛良枝さん)にお見舞いに行きますが、冴えない表情。朱里はメイクに仕事として向き合うようになり、小西(前田公輝さん)は朱里との将来を考え始め…。

●大切な人の言葉も、自分のやりたいことも尊重して進む道

以前までだったら、それぞれが自分でどうにかしようとし、自分だけの価値観で結論を出し、場合によっては諦めようとしていたかもしれません。

でも、今は寄り添ってくれる人がいます。

田中さんには朱里が。朱里には小西が、そして田中さんも。笙野も三好との対話の中で答えを見つけていくことに。

「案外自分で自分の気持ちは分からないんだよ」と笙野に言った三好の言葉が染みます。ひとりでがんばるのもいい。でも、ひとりでどうしようもなくなったら、だれかに頼ることも人生では必要です。

そして、頼り、頼られることで絆も深まっていくのかもしれません。それは依存なのでしょうか。いえ、助け合って生きていく、ということになるのではないでしょうか。

だれかの言葉を受け入れて、そして歩き出す。

朱里はメイクの仕事に進みます。小西は朱里にプロポーズを。今のところはOKではありませんでしたが、ふたりはこれからも寄り添って歩いていくことになりそう。笙野はふみかとの関係を解消。

そして田中さんはダンス留学へ。

それぞれが選んだ道は、周りの人に支えられつつも、自分が「進みたい」と思った道のように思えます。

劇的な変化は起こらない。でも、少しずつ、自分にとって幸せだと思える道を選んでいたら、やがてはそれまでとはまったく違う場所にたどり着けているのかもしれません。