『ドクターX』や『花子とアン』など名作ドラマの脚本家として知られ、2025年春の朝ドラ『あんぱん』の制作も発表となった中園ミホさん。話題の作品を数多く世に生み出してきた人気脚本家でもありますが、じつは占い師でもあります。

中園ミホさんインタビュー。年末年始を心地よく過ごすコツ

今回は、11月に最新作『強運習慣100 運をつかんで幸せになる』(エクスナレッジ刊)を発売した中園さんに、ポジティブに生きていくために、どのような習慣を大切にしてきたか、お話を伺いました。

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●強運な人は「機嫌がいい」人である

――中園さんは、ご自身の人生も占いによって切り開いてきたと伺いました。これまでどうやって「強い運」を掴んでこられたのでしょうか?

中園ミホ(以下、中園):「運気を上げる」というと、パワースポットに行くとか吉方位の家を建てるとか、なにか特別なことのように思われるかもしれません。でも、私は、本当に日常のささやかな心がけ、当たり前のことが運気をよくしていくのではないかと思っています。

たとえば、「朝起きたらまず窓を開ける」とか、そういう当たり前のことが、だんだんその人を強運体質に変えていくのだと思うんです。

――強運を得るために必要なこと、それはズバリなんでしょうか?

中園:まず、言えるのは、強運な人はみんな「機嫌がいい」ということ。脚本家として人間ウォッチングはもう習性なので、「この人運がいいな」とか、「だれが見ても強運だよね」という人をたくさん観察してきましたが、強運だと思う人は、みんな、間違いなく、機嫌がいいんです。

ひょっとしたら、普通の運の人よりも大変な思いもしているかもしれないとも思うのですが、それでもみんなすごく機嫌がいいです。毎日イヤなことはいっぱいあっても、楽しく明るい気持ちで過ごすことが、人生を好転させるとわかっているのでしょうね。

だから、日々小さなことでも、自分で自分を機嫌よくすること。天気がよければ散歩へ行って近所の氏神様に挨拶するとか、イヤなことがあったらお風呂に入って、イヤな気持ちごと水に流すとか。必死に「開運しよう!」とかじゃなくて、自分に心地よいことを習慣にすることなのだと思います。

●機嫌のいい人になるためのちょっとしたコツ

――なるほど。ということは、「機嫌がいい=強運」とも言えるのでしょうか?

中園:強運っていうのは、「しなやかで打たれ強い」ってことだと思います。自分の心の持ち方とか、あとはちょっとしたコツ。つらいことがあったときにどう乗り越えていくかということで、機嫌のいい体質にだんだん変われるだろうし、そうやって笑顔を振りまいていれば、強運になっていくのだろうな、と思います。芸能や政財界など、運の強い人をたくさんみてきたので、若い頃からそう思っていましたね。

――では、中園さんからみて、この人は強運だな、と思う方はいますか?

中園:最近知り合いになったのですが、浅田美代子さんは強運だな、と思います。向田邦子さんや久世光彦さん、樹木希林さんといった方々にかわいがられたのは有名ですけれど、ドラマの監督やスタッフも、「浅田さんがいてくれてよかった」と言っているのをよく聞きます。

たとえば、ドラマの現場だと、演技に妥協できない俳優さんがいらっしゃって、ときどき折り合いが合わずに現場が止まってしまうことがあるんです。もちろん、その俳優さんは芸を磨いてきて、人生かけて演技しているからそうなるのですけれどね。

そういうときに、浅田さんが、「こういうふうにしてみたら?」なんて天然な感じで言ってくれて、その場が和むんだそうです。そういう人がひとりいると、すごく現場が明るくなって、その人のほんわかしたオーラがみんなに伝わるのでしょうね。それで現場が動き出すから、本当にありがたいって聞きます。だから、「人から愛される」ことって、大事なことだなぁと思います。

●新しい年に「しなやかで打たれ強い体質」になるには?

――いつも楽しく朗らかでいること、見習っていきたいです。少し話は変わりますが、もうすぐ12月も終わりですが、新しい年を迎えるにあたり、おすすめの過ごし方はありますでしょうか?

中園:お正月とか年末年始って、色々しきたりがありますよね。それは、やっぱりひととおりやった方が、私は気持ちよく過ごせると思います。

なかなか忙しくて、今年は年賀状パスしようかなとか、大掃除、今年はいいかなとか思ったりするし、そうやってやり過ごしたこともあるのですが、やっぱり気になることはやった方が自分も気持ちよく過ごせるし、なんとなく家も喜んでいる感じがします。恒例になっていることって意味がある、というのが、長年サボったりやってみたりした私の結論です。

――そうなんですね。中園さんがなにか新年にされていることなどはありますか?

中園:人から「書初め」をすすめられて始めたのですが、いいですね。私は「ぐーたら」な人間なので、「勤勉」とか書いて壁に貼ったりします。小学生が「規則正しい生活」とか「早寝、早起き」とか書きますけど、目標とか気をつけたいことを書くのがいいかなと思います。

それと、私がいつもおすすめしているのは、お正月やお誕生日など区切りのときに、「自分がどうなりたいか?」を思い浮かべること。それだけは、若い頃からやってきました。

5年後、10年後、どうなりたいか、なるべくありありと思い浮かべます。5年後にそうなっていなかったということもいっぱいありましたが、それを修正しながら、ここまではできたから次はこのくらいまで、とか、毎年やっていると、年を重ねるごとに、自分の“こうなりたい”に近づいてくる気がします。

●なにをしたいか明確化させることで道は開ける!

――新年に抱負を語るのは、中園さんにとって大切な行動なのですね。抱負を口に出した方がいいのでしょうか?

中園:抱負を口に出して言うのは、大人になると恥ずかしいという人もいるかもしれません。でも、そういう人は、書けばいいです。パソコンで打ってしまうとあんまり体力使わない感じがするので、手書きにするのがいいと思います。手帳に書いておくだけでもずいぶん変わっていきますよ。

書くことによって、そのためには「なにをしたらいいのか」が見えてくるはずです。そうすれば、その方向へ人生が向かっていくので、行動パターンも変わっていくでしょう。夢を叶えたい人には、ぜひおすすめします。

もし神様がいるとしたら、天上から、この人どうしたいんだろう? と見ていて、それが伝われば、そこへ向かって手助けしてくれるような気がします。あんまりボヤッとしていると、どう助けてあげたらいいかもわからないかな、って。だから、そこはちょっとはっきりさせておいた方がいいと思うんです。