今、団地に注目が集まっています。「リノベーションすることで割安感のある好みの住まいになる」「建物がある敷地が広くて緑が豊か」といったことがおもな理由。

家族と一緒だったり、ひとり暮らしだったり、さまざまな年代、ライフスタイルの方の団地住まいの実例を紹介している『団地で見つけた身軽で豊かな暮らし方』より、築50年ほどの団地をリノベーションして暮らす、料理家・エッセイストの藤原奈緒さんの住まいをご紹介します。

【写真】食器類を収めたオープンシェルフ

団地のすみずみまで行き届いた「暮らしの美意識」

木材の温かみに、古い家具や雑貨やアートがなじむ空間は、見た目だけでなく、快適さもしっかり考えられています。

●木製の二重サッシで見た目もよく断熱性もアップ

無機質なアルミサッシは、全室、木製の窓枠でカバーされ、部屋全体のウッディな雰囲気と調和しています。

「以前住んでいた団地では冬場の寒さが気になりました。今の住まいは二重サッシなので断熱性があり、結露も防げます」

リノベーションついでに、引っ越し前にみずから手を加えた部分もあります。それが、リビングや洗面所の壁に塗った珪藻土。「友人と、工務店の職人さんにも手伝ってもらいました。リビングはライトグレー、洗面所と寝室はベージュに」

●ギャラリーのような空間だから見せる収納もよく映える

食器類を収めたオープンシェルフは使い込んだ味わいのあるスチール製と木製。

部屋そのものが天然素材を使った温かな印象に仕上がっているので、家具のテイストもぴったり。収納そのものが美しく映えています。

●隣の部屋まで一気に敷かれた無垢板のフローリング

リビングダイニングから隣の部屋までは、仕切る扉やふすまがなく、ひと続きの無垢の床材が敷かれています。隣室には大きな家具はあえて置かず、広々とした空間をキープ。「ここでストレッチすることも」