今年もESSEonlineをご覧いただき、誠にありがとうございました。 2023年の年間ランキング記事を発表、再掲載します。【2023年収納部門3位】に輝いたのはこちらの記事でした。

ものが多くごちゃつきがちなキッチン。毎日使う場所だからこそ、動線を意識して使いやすくものを収納したいですよね。ここでは、ライフオーガナイザーの高田舞子さんに、使いやすいキッチン収納の工夫を教えてもらいました。

記事の初出は2023年2月。年齢など内容は執筆時の状況です。

無印良品のユニットシェルフで、キッチンをオープン収納に

結婚当初に購入した背の高い食器棚。1年前の引っ越しの際、思い切って手放しました。値はつかず逆に処分費を支払うことにはなりましたが、小柄な私にとって上部の棚は使いにくく、手放してスッキリ!

●引っ越しを機に背の高い食器棚を手放し、無印のシェルフに

現在は無印良品のユニットシェルフをキッチン収納にしています。腰高85cmでそろえ、圧迫感を排除。冷蔵庫の使い勝手上、シェルフを並べて幅広に配置することができませんでしたが、それでもキッチン家事の動線としては上々です。

●オープン収納の不安

ユニットシェルフでキッチン収納を計画する際、いちばんに気になったのがオープン収納の是非。火や油を使うキッチンですし、ホコリもたまるはず。食器の収納にオープンスタイルはどうなのか? と悩みましたが、ふと飲食店を思い浮かべました。

ラーメン店から割烹まで、食器をオープン棚に収納しているお店は多い。強引な考え方かもしれませんが、「大丈夫! 死にはしない!」と開き直れました。

 

●ユニットシェルフでキッチン収納

キッチンの後ろの収納として、幅86cm×高さ85cmのシェルフを2つ設置しています。どちらも共通して、電子レンジやトースター、コーヒーメーカーなどの家電類を棚上段、食器類を中段、食材ストックや鍋などを下段に収納。

入口から近いほうには、電子レンジや食器、食材ストック、鍋など調理にかかわるものをメインに収納しています。

電子レンジの隣、上段には子ども用のコップやプラスチック製のお皿を。子どもも冷蔵庫から牛乳を、カゴからコップを取り、ササっと好きな飲み物を飲んでいます。

電子レンジ下には無印良品の紙製ファイルケースに子どものお菓子ストックを。キッチンの入り口に当たる場所で、動線も最低限です。

中段には洋食器を。よく使う飯椀や和食器などはコンロ下の引き出しに収納しているのですが、ここはその対面、振り返った背中側に当たります。食器をすべてコンロの近くに配置することで、調理時に動くことなくすぐに取り出せ、盛りつけもスムーズに。

下段には収納ケースを並べ、ゴミ袋や乾物のストックなどを入れています。このケースを棚板代わりに使い、鍋類もオープン収納に。

フライパン用の蒸しプレートやオーブンの天板などは、ファイルケースに立てて収納。

●消耗品ストックや使う頻度の低いものは、キッチン奥のシェルフに収納

冷蔵庫を挟んで奥側のシェルフには、主に消耗品ストックや使う頻度の低いものを収納しています。たとえば、お弁当グッズ、酒類のストック、ホットプレートなど。大人が使うガラスコップやマグカップも、こちらにまとめています。

●備蓄アイテムと、二軍のカトラリーはシンク横に

その向かいのシンク横にも、幅56cmのシェルフを配置。本来は冷蔵庫置き場ですが、使い勝手が悪く移動しました。

ここにはお菓子やカップ麺などの備蓄アイテムと、二軍のカトラリーなどがあります。フードプロセッサーは、冷蔵庫用のコンセントを使っているので、すぐ取り出せるようにここに収納しています。

オープン収納を使いやすくする3つの工夫

オープン収納を使いやすくするために、以下のような工夫をしています。

(1) カテゴリや用途に分ける

子どものお菓子、朝食用食器、コップ類などは、使い勝手のいい場所にある程度のカテゴリにまとめて収納。カテゴリを分けることで使い勝手も模様替えもスムーズに。

(2) ボックスやバスケットを使う

ボックスが引き出しとなり、奥のものを取り出しやすくなります。

おすすめは無印良品のやわらかポリエチレンケース。やわらかいので扱いやすく、ホコリがたまればボックスごと洗えます。別売りのフタを使えば、気になるホコリをシャットアウトでき、スタッキングも可能。フードプロセッサー類はフタつきで収納しています。

(3) ポリプロピレン収納ケースで食品ストック

ストック類は引き出し収納がやっぱり便利。ポリプロピレンの収納ケースを使っています。収納ケースが棚板代わりになるので、その上に鍋やフライパンを収納できます。コンロ背面なので、サッと取りだせてストレスフリー。

1年使ってみて…デメリットもあるがメリットが上回る!

無印のユニットシェルフを1年使ってみて感じたメリット、デメリットをご紹介します。

●上部に重いものや食器などを収納するのはおすすめしない

1年たって感じているデメリットは

・奥の食器は使用頻度が下がる

・たまに棚板を拭く必要がある

・ぐらつきがある

腰の高さのシェルフですが、電子レンジの扉の開け閉めの度に、少し揺れます。シェルフが高くなればさらに揺れると思うので、上部に重いものや食器などを収納するのはおすすめしません。

壁に固定するパーツも販売されていますが、揺れが完全に防止できるわけではないですし、賃貸住まいで壁に大きな穴をあけるのを躊躇して固定はしていません。

●食器棚よりも柔軟に使えるのが最大のメリット

細かい短所はありますが、おおむね満足しています。最大の長所は「ユニットシェルフは食器棚ではない」という点。

食器棚となると用途は限られますが、ユニットシェルフはただの棚なので柔軟性があります。食器棚としてお役御免となったときはリビング収納や洋服収納、ワークデスクなどに変幻自在! パーツの買いたしも可能なので、棚板を増やしたりドッキングさせたり、使い方は無限大。

引っ越しを何度も経験する転勤族にとって、用途を限定しない置き家具は強い味方。もちろん転勤族に限らず、多くの皆さんにも言えること。住居だけでなく、家族の人数や年齢、生活スタイルなど暮らしは変わり続けます。使い方をアレンジできるアイテムを持つことで、暮らしを整えることができますよ。