Rockstar Gamesの人気タイトル「グランド・セフト・オートシリーズ」の最新作で2025年発売予定の「グランド・セフト・オートVI(GTA6)」のデータリークに関与した疑いで2022年に逮捕された当時17歳のハッカーに対し、イギリスの裁判所は無期限での入院命令を下しました。

Teen GTA VI hacker sentenced to life in a secure hospital - The Verge

https://www.theverge.com/2023/12/21/24011153/gta-vi-hacker-lapsus-sentencing-hospital-prison



Arion Kurtaj: Teenager sentenced over Grand Theft Auto VI hack | UK News | Sky News

https://news.sky.com/story/arion-kurtaj-teenager-sentenced-over-grand-theft-auto-vi-hack-13035718

2022年当時17歳のArion Kurtaj被告人は、ハッカー集団「Lapsus$」の一員として、2022年初頭からMicrosoftやSamsung、Okta、NVIDIA、Uberなど国際的なハイテク企業に対して不正アクセスなどのサイバー攻撃を行い、機密情報の流出などに関与したとされています。

その後LAPSUS浮上しました。

ロンドン市警は2022年3月に、Lapsus

MicrosoftやSamsungを攻撃したハッカー集団「LAPSUS - GIGAZINE



しかしKurtaj被告人は、保釈中にもかかわらずRockstar Gamesへのハッキングを行い、開発中のGTA6のデータをリークしました。これを受けてKurtaj被告は2022年9月に再逮捕されています。

「グランド・セフト・オートVI」のデータを漏えいさせた17歳のハッカーが逮捕される - GIGAZINE



BBCによると、Kurtaj被告に対する裁判では、Kurtaj被告人は精神科医から「被告が自閉スペクトラム症であるため、裁判への出廷に適していない」という診断を受け、という診断を受け、裁判に出廷しませんでした。そこで陪審員は被告が意図的に罪を犯したのかどうかを考慮せず、検察によって主張された行為を行ったかどうかのみに焦点を当てて判断するように求められました。

裁判では、Kurtaj被告のハッキングによってRockstar Gamesは少なくとも150万ドル(約2億1000万円)もの損害や、従業員に合計数千時間もの労働を強いることになったことが明かされました。また、Kurtaj被告の精神鑑定を行ったところ「できるだけ早くサイバー犯罪の世界に復帰したい」という意思を示していたことが報告されたとのこと。



これを受けて裁判所のパトリシア・リーズ判事は、「Kurtaj被告が持つサイバー犯罪のスキルやモチベーションは、被告が社会にとって高いリスクを変わらず維持していることを意味しています」と判断しました。同じく陪審員は申し立てられた犯罪行為がKurtaj被告によって行われたものと認定しました。

裁判所が認定したKurtaj被告の罪状が以下。

・6件のコンピューターに不具合を起こす不正な行為に関与した容疑

・3件の恐喝容疑

・2件の詐欺容疑

・1件の警察によるパスワード開示請求の不当な拒否容疑

これらの罪状をもって、裁判所はKurtaj被告に対して精神保健法に基づく、無期限での入院命令を下しました。Kurtaj被告が退院するためには、司法長官による承認が必要となります。

また、Kurtaj被告と同時に裁判が行われた17歳のハッカーには、Lapsus/EEからデータを盗み、400万ドル(約5億7000万円)の身代金を要求したほか、仮想通貨ウォレットを通じてユーザーの仮想通貨を盗み出した容疑がかけられていました。



イギリスのサザーク・クラウン裁判所はこのハッカーに対し、厳しい監視とオンラインでのVPN使用の禁止措置を含む、18カ月にわたる青少年リハビリテーションを受けるように命じました。

リーズ判事は「この2人の容疑者はLapsus