福井駅西口では再開発中の通称「三角地帯」をバックに恐竜が出迎える(記者撮影)

コロナ禍収束で、人々の移動が復活し、新幹線需要も回復の一途をたどっている。ビジネス需要や観光・レジャー需要が戻り、東海道新幹線をはじめ新幹線の輸送力は、コロナ禍前のピーク(2018年度)比で9割まで回復してきた。

『週刊東洋経済』12月9日号は「無敵の新幹線」を特集。ビジネスパーソンの移動にはなくてはならない新幹線の「強さ」やサービス、技術力など、今後の見通しについてリポートしている。のぞみの”オフィス化”や、北陸や北海道、九州新幹線などの全国各地ルポ、リニア中央新幹線の最新事情なども掲載した。

福井県や長崎県は大いに潤った


いよいよ2024年3月16日に、金沢(石川県)━敦賀(福井県)間が延伸される北陸新幹線。9年前の2015年3月には東京━金沢間が開業、以後も大型スーツケースを引くインバウンド(訪日外国人観光客)が金沢駅に押し寄せるなど、活況を呈してきた。それ以来のビッグイベントに対し、福井県をはじめ、北陸じゅうが大いに沸いている。

一方、2022年9月に武雄温泉(佐賀県)━長崎(長崎県)間が開業したのは、西九州新幹線だ。こちらの場合、九州新幹線が通っている新鳥栖駅(佐賀県)から武雄温泉駅までを結ぶ整備方式が決まらず、福岡県と長崎県の間がつながっていない。先行開業した長崎県が潤う反面、フル規格の新幹線に反発してきた佐賀県の一挙手一投足に注目が集まる。

当記事では、北陸新幹線や西九州新幹線を現地で取材し、「今」を表す象徴的な写真を多数掲載した。再開発で駅前が活気立つ一方、在来線が縮小し不便になるなど、”明暗”は分かれている。新幹線開業で街にどんな変化が起きたのか。ぜひ、その目で見届けて頂きたい(以下50枚)。


(橋村 季真 : 東洋経済 記者)