「鬼が来るよ」は子どもに言ってはいけない? 親が知っておくべき心理的な影響と言い換え言葉【専門医監修】
子どもに対して「そんなことしたら怒るよ」「早く寝ないと鬼が来ちゃうよ」といった言葉をかけたことはありませんか?これらの言葉は、親の教育として発せられることが多いですが、子どもの心に深い傷を残す可能性も潜めています。この記事では、子どものこころ専門医の大和行男さんが、子どもに言ってはいけない言葉と積極的にかけてあげたい言葉を解説します。子どもの自己肯定感や自信を高める方法や、親子関係を良好に保つコツを学びましょう。
【言い換えリスト】忙しい育児の日々…ではどう言えば?専門医提唱の言い換えワード
■「お兄ちゃん(お姉ちゃん)みたいに…」否定・比較・脅迫は要注意
!
子どもに言ってはいけない言葉は、大きく分けて以下の3つのタイプに分類できます。
- 評価・判断・否定する言葉
- 比較・競争・期待する言葉
- 威圧・脅迫・罰する言葉
これらは、子どもに対して以下のような心理学的な影響を与える可能性があります。
- 評価・判断・否定する言葉は、子どもの自己肯定感や自信を低下させることがあります。子どもは親の評価や判断を真に受けてしまい、自分はダメな人間だと思い込んだり、自分の能力や価値を疑ったりすることがあります。例えば、「ダメだね」「できないんだね」「あんたには無理だよ」という言葉は、子どもに挑戦や努力の意欲を奪うことがあります。
- 比較・競争・期待する言葉は、子どものストレスや不安を増加させることがあります。子どもは親の比較や競争や期待に応えようとして、過度なプレッシャーや責任感を感じることがあります。例えば、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)みたいにできないの?」「他の子より劣ってるよ」「こんなこともできないなんて恥ずかしい」という言葉は、子どもに劣等感やコンプレックスを抱かせることがあります。
- 威圧・脅迫・罰する言葉は、子どもの感情や行動を抑制させることがあります。子どもは親の威圧や脅迫や罰に恐怖や怒りを感じることがありますが、それを表現できないために内面化したり、逆に反発したりすることがあります。例えば、「そんなことしたら怒るよ」「鬼・おばけが来るよ」「お仕置きするよ」という言葉は、子どもに親への信頼や愛情を失わせることがあります。
■イライラして、つい否定的な言葉遣いになり勝ち… 言い換えた方が逆にスムーズ?
それでは、どのような言葉選びをしたらいいのでしょうか?忙しい育児の日々の中で、聞き分けが悪かったりすると、つい否定や比較、脅迫する言葉を使ってしまいがちですが、下記のように言い換えてみた方が、円滑なコミュニケーションが図れるかもしれません。
・「ダメだね」「できないんだね」 → 「難しいね」「挑戦してるね」
・「早くしなさい」「急ぎなさい」 → 「あと何分でできるかな」「時間に間に合わせようね」
・「片付けないと捨てちゃうよ」 → 「片付けたら楽しいことしようね」「片付けると見つけやすくなるよ」
・「ちょっと待って」 → 「今忙しいから、後で話そうね」「今はできないけど、すぐにやってあげるからね」
・「○○しないと鬼がくるよ」「おばけが来ちゃうよ」 → 「○○できたら〜〜だよ」「○○したら〜〜しよっか!」
・「勉強しなさい」「もっと頑張りなさい」 → 「勉強すると色々なことがわかるよ」「自分の目標に向かってがんばろうね」
・「今日からYouTube禁止!」 → 「YouTubeは一日にどれくらい見てもいいか決めようね」「YouTubeを見る前に宿題を終わらせようね」
・「お兄ちゃん(お姉ちゃん)みたいにできないの?」 → 「君は君のやり方で大丈夫だよ」「君は君のペースで成長してるよ」
・「他の子より劣ってるよ」「こんなこともできないなんて恥ずかしい」 → 「他の子と比べなくてもいいよ」「できないことがあっても大丈夫だよ」
・「そんなことしたら怒るよ」「ルールを守らないとお仕置きするよ」 → 「そんなことしないで欲しいな」「ルールを守らなかったらこんなことが起きるんだよ(具体的な説明)」
親の言葉選び次第で、子どもの自己肯定感や自信、ストレスや不安、感情や行動などに悪影響を与えることがあります。言ってはいけない言葉を避けるだけではなく、子どもの感情や意見を受け入れたり、行動や努力を認めたり、個性や能力を育てたりすることが必要です。肯定的な言葉遣いやメリットを伝えることを心がけ、子どもの健やかな成長を促しましょう。
【監修者プロフィール】
医療法人社団先陣会理事長/こころと美容のクリニック東京 大和行男院長
こころと美容のクリニック東京院長として、思春期から成人まで幅広くメンタルケアから美容皮膚科の診療を展開中。新しい概念として「思春期美容皮膚科」を提唱し、児童精神科の訪問診療も行っている。
資格:子どものこころ専門医、精神科専門医
■「お兄ちゃん(お姉ちゃん)みたいに…」否定・比較・脅迫は要注意
!
子どもに言ってはいけない言葉は、大きく分けて以下の3つのタイプに分類できます。
- 評価・判断・否定する言葉
- 比較・競争・期待する言葉
- 威圧・脅迫・罰する言葉
これらは、子どもに対して以下のような心理学的な影響を与える可能性があります。
- 評価・判断・否定する言葉は、子どもの自己肯定感や自信を低下させることがあります。子どもは親の評価や判断を真に受けてしまい、自分はダメな人間だと思い込んだり、自分の能力や価値を疑ったりすることがあります。例えば、「ダメだね」「できないんだね」「あんたには無理だよ」という言葉は、子どもに挑戦や努力の意欲を奪うことがあります。
- 比較・競争・期待する言葉は、子どものストレスや不安を増加させることがあります。子どもは親の比較や競争や期待に応えようとして、過度なプレッシャーや責任感を感じることがあります。例えば、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)みたいにできないの?」「他の子より劣ってるよ」「こんなこともできないなんて恥ずかしい」という言葉は、子どもに劣等感やコンプレックスを抱かせることがあります。
- 威圧・脅迫・罰する言葉は、子どもの感情や行動を抑制させることがあります。子どもは親の威圧や脅迫や罰に恐怖や怒りを感じることがありますが、それを表現できないために内面化したり、逆に反発したりすることがあります。例えば、「そんなことしたら怒るよ」「鬼・おばけが来るよ」「お仕置きするよ」という言葉は、子どもに親への信頼や愛情を失わせることがあります。
■イライラして、つい否定的な言葉遣いになり勝ち… 言い換えた方が逆にスムーズ?
それでは、どのような言葉選びをしたらいいのでしょうか?忙しい育児の日々の中で、聞き分けが悪かったりすると、つい否定や比較、脅迫する言葉を使ってしまいがちですが、下記のように言い換えてみた方が、円滑なコミュニケーションが図れるかもしれません。
・「ダメだね」「できないんだね」 → 「難しいね」「挑戦してるね」
・「早くしなさい」「急ぎなさい」 → 「あと何分でできるかな」「時間に間に合わせようね」
・「片付けないと捨てちゃうよ」 → 「片付けたら楽しいことしようね」「片付けると見つけやすくなるよ」
・「ちょっと待って」 → 「今忙しいから、後で話そうね」「今はできないけど、すぐにやってあげるからね」
・「○○しないと鬼がくるよ」「おばけが来ちゃうよ」 → 「○○できたら〜〜だよ」「○○したら〜〜しよっか!」
・「勉強しなさい」「もっと頑張りなさい」 → 「勉強すると色々なことがわかるよ」「自分の目標に向かってがんばろうね」
・「今日からYouTube禁止!」 → 「YouTubeは一日にどれくらい見てもいいか決めようね」「YouTubeを見る前に宿題を終わらせようね」
・「お兄ちゃん(お姉ちゃん)みたいにできないの?」 → 「君は君のやり方で大丈夫だよ」「君は君のペースで成長してるよ」
・「他の子より劣ってるよ」「こんなこともできないなんて恥ずかしい」 → 「他の子と比べなくてもいいよ」「できないことがあっても大丈夫だよ」
・「そんなことしたら怒るよ」「ルールを守らないとお仕置きするよ」 → 「そんなことしないで欲しいな」「ルールを守らなかったらこんなことが起きるんだよ(具体的な説明)」
親の言葉選び次第で、子どもの自己肯定感や自信、ストレスや不安、感情や行動などに悪影響を与えることがあります。言ってはいけない言葉を避けるだけではなく、子どもの感情や意見を受け入れたり、行動や努力を認めたり、個性や能力を育てたりすることが必要です。肯定的な言葉遣いやメリットを伝えることを心がけ、子どもの健やかな成長を促しましょう。
【監修者プロフィール】
医療法人社団先陣会理事長/こころと美容のクリニック東京 大和行男院長
こころと美容のクリニック東京院長として、思春期から成人まで幅広くメンタルケアから美容皮膚科の診療を展開中。新しい概念として「思春期美容皮膚科」を提唱し、児童精神科の訪問診療も行っている。
資格:子どものこころ専門医、精神科専門医