秋~冬の天候見通し

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今週、気象庁は「3か月予報」と「寒候期予報」を発表しました。

今回の長期予報の重要な鍵が、南米ペルー沖の海面水温が平年より高くなる現象、「エルニーニョ現象」です。今年の春から発生していますが、これが今後、冬の半ばにかけても続く可能性が高い、とみられています。この現象が発生すると、西日本は冬にかけて大陸の寒気の南下が弱くなることが統計的に知られていて、これからの秋から冬も主にエルニーニョ現象の影響で高温傾向が続く見通しです。秋の深まりはゆっくりで紅葉シーズンが遅れがちになり、冬は、低気圧などでの雨は多くなっても、雪は少なく、かなりの暖冬になる可能性が見込まれています。

では具体的に、どんなイメージの天候となっていくのか…前回のエルニーニョ現象は5年前、2018年の秋~2019年の春にかけて発生していましたが、その時、山口県では極端な出来事が相次いでいました。

5年前、2018年の秋本番の時期は、お彼岸を過ぎてからも台風シーズンが少々長引きました。9月30日には台風24号が九州南岸から四国沖を進み、和歌山県に上陸。この時は、まとまった雨により西日本豪雨で被害が出た場所で再び土砂が崩落するなどの被害が。また、10月6日には台風25号が九州の西を北上し、県内の一部が暴風域に入り、激しい風が吹き荒れました。

そして師走に入った12月4日、下関では最高気温が26.2度と師走なのに夏日を観測する異例の暖かさとなりました。クリスマスムードの街中を半袖で歩く人の姿もみられました。

5年前の冬は、元号が令和に変わる直前、平成最後の冬でもありましたが、そんな平成最後の冬は、大暖冬。なかなか雪が降らず、山口市阿東の十種ヶ峰スキー場は雪不足に悩まされました。山口市中心部で冬の間で雪が積もったのはたった3日にとどまり、9年ぶりの少なさでした。

これからの秋~冬がこの5年前と同じことが起こる、とは必ずしも言えませんが、いつもの秋~冬とはかなり異なる天気が現れるかもしれない、ということは頭の片隅に置きつつ、日々の気象情報をチェックしながら上手な生活を心がけたいものです。

(KRY山口放送 気象予報士 山本昇治)