KRY山口放送

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山口市の中原中也記念館の入館者が80万人に達し、18日に記念のセレモニーが行われました。

1994年2月に開館した山口市の中原中也記念館、入館者80万人目となったのは、福岡市の山下仁美さんです。

(山下仁美さん)
「びっくりしました。光栄です」
「中也の「別離」という詩が好きです」

「別離」は1934年(昭和9年)の作品で、中也が東京から山口へ一時的に帰郷するときの気持ちを表現した詩です。
詩集「山羊の歌」が出版された年でもあります。
「さよなら、さよなら!あなたはそんなにパラソルを振る僕にはあんまり眩しいのです」

福田百合子名誉館長は、中也は言葉が天から降りてくるタイプの詩人で、桁外れの情熱をもっていた人と分析しています。

(福田百合子名誉館長)
「詩人としての才能は特別だったと思います。それを天才というなら天才」「人間本来が持つ、悲しみとか苦しみとか、あるいはもっとどこかに持つ怒りのようなもの、 パワーがないと怒ることはできない」

80万人目となった山下さんが、この記念館を訪れたのは今回が初めてで、展示されている詩集「山羊の歌」を感慨深く眺めていました。

中原中也記念館では、特別企画展「草野心平と中原中也」が10月1日まで開かれています。